現在の最重量級の銀河は楕円形だが、その多くは、かつては天の川銀河のような円盤状で回転していたとされる。古代の銀河はどのようにして姿形を変えたのか。マックスプランク地球外物理学研究所・国立天文台の但木謙一学振特別研究員と東北大学の児玉忠恭教授を中心とする国際チームは、110億光年彼方の銀河の中心部で新たな星が爆発的に生まれていることを突き止めた。この激しい星形成活動が、銀河が円盤から楕円に形を変えた要因だった。

 銀河の星々の多くは今から100~110億年前に生まれた。この時期の銀河の調査には110億光年離れた銀河を観測するのだが、遠方の銀河はとても小さく、光も弱いので観測が難しい。口径8.2mのすばる望遠鏡の観測でさえ銀河は点にしか見えない。

 そこで研究チームはまず、すばる望遠鏡を使って110億光年彼方にある銀河を探した。発見した25個の銀河を、すばる望遠鏡の3倍の解像度を持つアメリカ航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡と、日米欧などが共同運用するアルマ望遠鏡で観測し、その内部構造を描き出した。

 ハッブル宇宙望遠鏡で観た110億光年彼方の銀河は大きな円盤状の形で、まだ楕円形ではなかった。しかし、アルマ望遠鏡による高解像度データの解析から、これらの銀河の中心で新たな星が爆発的に生まれていることが判明。これにより円盤型から楕円型への変化を生じたと解釈できた。

 現在、「円盤型の銀河同士が衝突合体し、楕円型の銀河に進化する」という衝突合体説が定説だが、今回観測した銀河には大規模な合体の兆候が見られない。今回の研究成果の意義は、銀河には衝突合体をしない別の進化経路(星形成活動)があった決定的証拠を発見したこととされる。

論文情報:
【The Astrophysical Journal】BULGE-FORMING GALAXIES WITH AN EXTENDED ROTATING DISK AT z ~ 2
【The Astrophysical Journal Letters】Rotating Starburst Cores in Massive Galaxies at z = 2.5(PDF)

東北大学

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