高エネルギー加速器研究機構(KEK)は大阪大学、ソウル国立大学などと共同で、キセノンと白金の原子核を衝突させることで地球に存在する金の原子核の素になったと考えられる「中性子過剰核」の生成に成功しました。地球になぜ金が多量に存在するのかを解明する手がかりを得る鍵になることが期待できます。

 原子は中心にプラスの電気を持つ原子核とその周りを囲む電子からできています。原子核はさらに陽子と中性子が集まってできていますが、陽子数・中性子数が原子の種類を決定します。例えば炭素の原子核なら陽子6個、中性子6個ですが金の原子核では陽子79個、中性子116個となります。この数が少ない原子は恒星の内部で原子核同士が合わさることでできます。一方金のように重い原子がどのように作られ、どうして大量に存在するのかは良く分っていませんでした。有力な説として、地球から遥か彼方にある、太陽よりもはるかに重い星が爆発を起こすときに原子核が合わさるのではないかと考えられています。

 この時重要なのが中性子の数が126個の原子核です。126個は魔法数とよばれ、原子核が分裂することなく安定な状態になることが知られています。この核が時間を経て中性子が壊れることで陽子数79、中性子数116の金原子になったのではないかと考えられているのです。今回の研究では白金にキセノンの原子核を衝突させると、キセノンから陽子と中性子の一部が移ることで中性子数が126個の原子核を効率よく生成することに成功しました。

 今後はこうして作られた原子核が金に変化するのにかかる時間を測定することで、実際に現在地球上に存在する量の金が作られる可能性があるかを検討していくとしています。最終的には実際にそれが可能な天体の特定を目指します。

出典:【高エネルギー加速器研究所】自然界に金や白金が多く存在する理由を解明する糸口を発見

大阪大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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