横浜市立大学の高見澤聡教授は形状記憶合金のような機能を持った有機化合物を作ることに成功しました。軽量な形状回復性を持つ材料として機械部品や遷移、医療用の生体適合材料などへの応用が期待されます。

 形状記憶合金は折り曲げるなどして形を変えても、ある温度まで熱することで元通りの形に戻るという特性を持っています。すでに衛星アンテナや医療用のカテーテル、インプラント(人工歯根)などに利用されています。しかしながら軽量性が求められる用途や金属以上の生体適合性が求められる場合など、全く違った材料による形状記憶効果の発見も求められています。現状では高分子材料で実現できているものの、熱によって回復力が致命的に弱いなどの問題がありました。有機物の結晶にこうした問題を打破する可能性が残されていますが、これまでそのような材料も、そういった材料を開発する指針も見つかっていませんでした。

高見澤教授は2014年に金属が持つ形状記憶性のカギとなる超弾性という性質を有する有機化合物を発見しました。今回はこの成果を発展させて、新たに合成した有機物で形状記憶効果を持つ材料を開発することに成功しました。さらにその力は形状記憶合金のように力強く、自重の170倍もの重量を持ち上げられることを確認しました。これによって有機物でも形状記憶効果を実現できることが明らかになったとともに、合金にも劣らない実用性の高い材料開発への道が拓けたことになります。

有機物を使うメリットは化学的な処理によって特性を微調整しやすい点も挙げられます。今後は様々な用途に合わせて多様な形状記憶有機材料が開発されるのではないかと期待できます。

 

横浜市立大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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