神戸大学大学院工学研究科の阪上隆英教授(機械工学)と本州四国連絡高速道路会社(神戸市、三原修二社長)は、鋼製の橋梁溶接部の表面温度を遠くから赤外線カメラで計測し、亀裂を検出する新技術を開発しました。技術は既に実用化レベルに達しており、橋の維持管理に必要なコストの削減やインフラの管理水準向上に力を発揮しそうです。

 神戸大学によると、共同研究チームは、亀裂の発生しやすい舗装下のデッキプレート部分とUリブ(※)部分の温度に着目。溶接部に亀裂があった場合、路面からの熱がUリブ部分に伝わらず、明らかな温度の違いが見られることから、これを赤外線カメラで計測することにより、亀裂の有無を遠くから検出することに成功しました。
実際に本州四国連絡高速道路の高架橋走行車線直下の溶接部を約10キロにわたり、赤外線カメラで撮影。目視では確認されなかった長さ40ミリの亀裂検出に成功し、今回開発した手法が有用であることを確認しました。今後はより汎用性を高めるため、自走型の計測装置や亀裂の自動検出装置の開発に取り組む予定です。

 これまでは、目視で塗装割れやさびを検出し、亀裂の存在が疑われる場合には塗装を剥がして磁粉を用いた探傷を行う検査方法が一般的でしたが、検出精度の低さや効率の悪さ、高いコストが問題となっていました。
本州四国連絡高速道路は、明石海峡大橋や大鳴門橋、瀬戸大橋など長大橋が開通から18~31年経ち、保守点検の重要性が高まっていることから、新技術の実用化に大きな期待をかけています。

 阪上教授は「開発した検査システムは、現状の検査方法を信頼性、精度、効率、コストすべての面で凌駕する。疲労亀裂の早期検出が可能になり、維持管理体制に変革を与えそうだ」と話しています。

※Uリブ 部材の変形を防止するために取り付けるU字型の細長い補強板

神戸大学

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