芝浦工業大学機械制御システム学科の伊東敏夫教授は、カルソニックカンセイ株式会社と共同で、最小限の空調で、車内を人それぞれの快適温度に保ちつつ、自動車の燃費性能向上も実現する、次世代空調システムの開発に向けた研究を開始した。

 近年、自動車の燃費性能やデザイン性と共に、振動、騒音、温熱環境といった快適性も重要視されている。走行時以外でエンジンの動力を一番使うのは車内空調システムであり、現在のシステムは人の体感温度に関係なく設定温度を保つよう稼働するため、無駄が生じているのが現状。

 加えて、自動車の冷暖房はエンジンの廃熱を利用するが、エンジン性能が上がるにつれ廃熱が少なくなり、暖房エネルギー供給のために燃料を消費するといった課題も生まれている。特に、エンジン廃熱を利用しない電気自動車では冷暖房によるエネルギー消費問題はガソリン車より顕著で、実走行距離を伸ばす上で大きな障害となっている。実際、冬の電気自動車では、エネルギーの50%が暖房で消費されることもあるという。

 このような現状を踏まえ、研究によって、「運転者の心拍データから快適か不快かを自動で計測し、最適な温度環境を自動化する仕組みの開発」、「今まで過冷房、過暖房で無駄にしていたエネルギーロスの改善」、「運転手が装置を身につけなくても、ハンドルやシート内に心拍計を組み込むだけで済む製品の開発」を進めていく。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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