ほうれん草の仲間であるキヌアは、国連が2013年を「国際キヌア年」と定めたほど国際的関心を集める穀物だ。今回、スーパーフードとも呼ばれるキヌアのゲノム(生物の設計図)解読成功が伝えられた。国際農林水産業研究センター(JIRCAS)、京都大学、かずさDNA研究所、石川県立大学、株式会社アクトリーの共同研究による成果だという。

 キヌアは南米アンデス地方原産の作物。干ばつなどのさまざまな不良環境に対する適応性が高く、豊富な栄養価と優れた栄養バランスを持っている。そのため、国際連合食糧農業機関(FAO)は世界の食料問題解決の切り札とし、米国航空宇宙局(NASA)は宇宙飛行士の食料として注目。しかし、雑種になりやすい上に複雑なゲノム構造(異質四倍体)を持つため、遺伝子レベルでの詳細な解析は十分に進んでいなかった。

 今回、共同研究グループは、分子解析に好適な標準自殖系統(純系の系統)を確立して、その系統から全DNAを抽出。2種類の配列解読装置(次世代シークエンサー)を活用し、ゲノム概要配列(おおよその配列)を解読した。また、この解読情報をもとに作成したキヌアのゲノムデータベースを公開。このデータベースを用いて、干ばつや塩害時に重要な役割を担う遺伝子やウイルス感染防御に関係する遺伝子の存在を明らかにした。これらの成果により、キヌア研究の飛躍的進展に必須な遺伝子レベルでの研究基盤を確立したという。

 共同研究グループは不良環境耐性作物の開発や、アフリカをはじめとする世界の栄養改善に向けた作物開発を目指しているという。キヌアの高い環境適応性や優れた栄養特性を支えるメカニズムを活かし、稲や小麦などの作物品種の改良につなげたいとしている。

京都大学

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