長崎大学は、熱帯感染症や新興・再興感染症を対象とした新たな遺伝子検査システム開発で、東芝メディカルシステムズ株式会社と共同研究契約を締結。長崎大学熱帯医学研究所内に、「東芝メディカルMSラボ(Molecular Solution Laboratory)」を設置し、共同研究を開始する。

 
 近年、グローバル化の進展により、デング熱やジカ熱など途上国の病気ととらえられていた熱帯感染症や新興・再興感染症が、発生国だけにとどまらず国境を超えた問題として、公衆衛生だけでなく世界経済にも大きな脅威となっている。熱帯感染症等の制圧には早期診断が重要で、遺伝子検査は原理的で高感度に検出できる特徴から将来的な普及が期待されている。

 しかし、遺伝子検査では「抽出」「増幅」「検出」の3ステップが必要で、現在使用されている検査システムは「増幅」「検出」だけを自動化、迅速化したものが主流。前処理となる「抽出」は手作業で複雑な手順のままとなっている。このため余分な時間がかかるほか、実検体を扱うことから非熟練検査者への二次感染が懸念されている。

 両者は2018年までの2年間、これらの課題を解決できる自動抽出システムの開発を進める。途上国への支援を想定し、「抽出」「増幅」「検出」が、誰でも、どこでも、簡単で安全に行うことができる遺伝子検査システムの開発を目指す。

 長崎大学はこれまで、熱帯感染症や新興・再興感染症に関する研究で多くの成果を重ね、最先端の研究を進めている。東芝メディカルとは2015年に、判定時間が約11.2分と従来システムに比べて1/6程度に短縮できる「エボラ出血熱迅速検査システム」を実用化しギニア政府に供与した実績があるほか、ジカウイルスの迅速検査システム開発でも連携を進めている。

 

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大学ジャーナルオンライン編集部

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