立命館大学生命科学部の久保幹教授と、植物研究と最新の皮膚科学を応用した化粧品づくりに取り組むノエビアグループは、土壌肥沃度指標(SOFIX)を用いた栽培手法が、オーガニック栽培された薬用植物の収穫量を増やし、特定有用成分の含有量を高められることを共同研究で明らかにした。

 自然派・オーガニック化粧品市場は、消費者の環境重視と自然志向の高まりによって年々拡大傾向という。そんな中、研究グループは、独自のオーガニック化粧品の開発を目的に、植物素材の栽培に有効な土壌肥沃度指標(SOFIX)に基づき、ノエビアの自社農場「北海道暑寒別岳パイロットファーム」にある有機圃場の環境を改良し、オーガニック栽培における収穫量・有用成分含有量への影響について研究を行った。

 土壌肥沃度指標(SOFIX)とは、有機栽培をはじめとする土壌中栄養源の質や量、微生物活性に着目した分析指標。農耕地土壌の診断技術として久保教授らが開発した。これまで、有機農業での「土作り」は“経験”が頼りで、安定的な生産が課題だったが、このSOFIXに基づき土壌成分を調整することで、高品質な農作物を安定的に生産することが可能となった。

 今回の研究では、婦人病の漢方薬で利用されているホッカイトウキを対象に試験を実施。SOFIXに基づき、土壌中の炭素、窒素およびリンの量や微生物活性を改善した結果、土壌肥沃度の上昇に応じて収穫量が増え、また、ホッカイトウキ中の有用成分であるリグスチリド、ブチリデンフタリドについても土壌肥沃度に準じて高まった。その結果、SOFIXを用いた栽培手法が植物の生長および特定有用成分の生成に有益な影響をもたらし、薬用植物の栽培に有用であることが示された。この研究成果は、今後の化粧品開発に応用する予定だという。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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