京都大学の松本健医学研究科客員研究員らの研究グループは、「ながはまコホート」事業において世界最大規模の7,000人以上を調査。短時間睡眠は睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸)と関連があるが、高血圧・糖尿病と関連するのは短時間睡眠でなく肥満と睡眠呼吸障害であり、その関連の度合いに性差、閉経前後で違いがあることがわかった。

 ながはまコホート事業は京都大学と滋賀県長浜市との共同事業で、市民の健康づくりと最先端の医学研究を目的として様々な検査を実施している。研究グループはこの事業において、睡眠呼吸障害の程度と、従来のようなアンケートによる主観的評価ではない、睡眠日誌と加速度計を用いた客観的な睡眠時間を測定した。事業参加者9,850人中、測定データが取得可能であった7.051人(71.6%)を解析対象とした。

 その結果、睡眠呼吸障害は客観的な短時間睡眠と関連することがわかった。また、睡眠呼吸障害は男女とも高血圧に関連し、その重症度が高くなるにつれて関連度が高くなったが、睡眠呼吸障害と糖尿病との関連は女性のみにみられ、特に閉経前女性の場合は中等症以上の睡眠呼吸障害があると糖尿病が28倍と著明に増加した。

 なお、肥満は男女ともに高血圧・糖尿病と関連していたが、客観的に測定した短時間睡眠は高血圧・糖尿病いずれにも関連が認められなかった。さらに、高血圧・糖尿病に対する肥満の関与は、睡眠呼吸障害により約20%間接的に媒介されており性差が認められた。

 今回の研究は横断研究であり、今後現在の調査を継続することで睡眠時間や睡眠呼吸障害のもともとの程度、あるいはそれらの変化が高血圧・糖尿病にもたらす影響を縦断的に解析し、因果関係について検討する予定という。

論文情報:【Sleep】Impact of sleep characteristics and obesity on diabetes and hypertension across genders and menopausal status: the Nagahama study

京都大学

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