新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界中の生活者の意識・行動にさまざまな影響を及ぼした。着用や洗濯など、衣生活面でも例外ではないと考えられる。そこで、日本女子大学家政学部被服学科では、2020年6~7月、コロナ禍における「衣生活行動の変化」に関するアンケート調査を実施した。全国10代以上の男女1165名が回答。

 調査によると、衛生管理の点では、3人に2人(65%)は「変化があった」と回答。70代以上と10代が70%を超える高い割合を示し、他の年代も50%以上だった。「変化は特にない」は、30代が43%と一番高かった。どの世代でも繊維製品を介した感染を心配し、感染防止意識を高めているといえる。

 行動の変化については、「帰宅後速やかに洗濯する(着替える)」「使い捨てマスクを洗濯して再利用」の回答率が高かった。年代別にみると、「帰宅後速やかに洗濯する(着替える)」は10代・40代の回答率が約40%と最も高く、70代以上が20%と最も低い結果に。「使い捨てマスクを洗濯して再利用」は、70代以上が45%と最も高く、最も低かったのは30代で25%だった。

 洗濯回数は、増加した人が19%だったが、「抗菌・抗ウイルス効果のある洗剤・柔軟剤を使用」「洗濯時に漂白剤を使用」の回答は低かった。「着用衣類にアルコールスプレーなどで除菌」は10代・20代の回答率が高く、帰宅後直ぐに対応できる手軽さが支持されていると思われる。
「紫外線に当てて干すことを意識」は、10代~30代は低く、70代以上で約35%と年代が上がるにつれ回答率は高かった。洗濯物を紫外線に当てて干すという行動は時間帯に制約があるため、それに対応できる年代での回答率が高くなったと推察される。

 今回の調査結果から、「Withコロナ」の状況下では、約7割の人が「マスクの着用」と「人混みの多い場所に行った後は、できるだけすぐに着替えるという“新しい生活様式”を意識するようになったことがわかった。このように、新型コロナウイルス感染症は、“新しい生活様式”を生み、収束後もこの生活様式の一部は残っていくことが想定される。

 現在は、手作りマスクをはじめとした「再利用できるマスク」の使用が広がり、これは洗濯という衛生管理の重要性にもつながる。日本女子大学では、今回の調査結果が、衛生管理の一つとして、日頃行っている洗濯方法を見直すきっかけになることを期待している。

参考:【大学プレスセンター】コロナ禍で65%の人が衣生活に「変化あり」と回答、使い捨てマスクを洗濯して再利用も — 日本女子大学が「衣生活行動の変化」についてアンケート調査を実施

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創立120周年を迎えた2021年、目白キャンバスに全学部を統合。2023年に国際文化学部、2024に建築デザイン学部を設置、2025年に食科学部を開談予定(仮称、届出中)。「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」を理念として、高い専門的能力を有し、呼代の変化や多様[…]

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