東京都内の5つの女子大学(津田塾大学、日本女子大学、東京女子大学、大妻女子大学、東京家政大学)の学生・教員とIT企業から構成される「女子大学生ICT駆動ソーシャルイノベーションコンソーシアム(WUSIC)」は、女子大学生が経験ゼロからアプリ開発に挑み、チームで社会課題解決型のアプリを制作する実践型プログラム「アプリ開発ブートキャンプ2025」を開催した。
近年、女子大学を取り巻く環境は厳しい状況にあり、ピーク時の1998年に98校あった女子大学は、2000年代初頭から共学化や閉校が進み、現在では約70校に減少している。直近でも国内最大の女子大学や創立60年以上の名門校が共学化・学生募集の停止を発表するなど、女子大学は過渡期を迎えると同時に少子化やIT化など社会や産業の構造転換を見据えた取り組みが必要になっている。
一方で、STEM分野の女性割合では日本はOECD最下位を記録し、特にIT業界におけるエンジニアは男性中心で女性比率は約20%程度と低い水準。女性人材の確保は、ダイバーシティ推進だけでなく、女性ならではの視点に基づくサービス開発やイノベーションにとっても重要になっている。
本プログラムでは、5つの女子大学(津田塾大学、日本女子大学、東京女子大学、大妻女子大学、東京家政大学)の学生が、富士通株式会社・アシアル株式会社などコンソーシアム会員のIT企業を講師陣にアプリ開発やデザインの手法を学びながら、社会課題を解決するアプリを開発。各大学の教員・有志学生とIT企業から構成されるコンソーシアム組織「WUSIC」によって運営されており、文理系を問わずICTリテラシーを習得し、これからの時代を牽引する女性リーダーの創出を目指している。
5年目となった今回は「ボーダレス」をテーマに、多様な人々をつなぐインクルーシブアプリの開発に各大学の学生8チーム・33名が挑戦。開催期間の2025年8月4日(月)~8月22日(金)にかけて【プログラミングの基礎学習・アイデア創出→デザイン→開発】の流れで、全体学習や各チーム毎のアイデア発表・開発を進めた。プログラムの初日では、WUSIC代表で大妻女子大学キャリア教育センター教授の井上俊也より挨拶・全体説明をした後、WUSIC事務局で富士通株式会社の伊藤みなみ氏からビジネス現場で培った製品企画の考え方を、アシアル情報教育研究所 所長の岡本雄樹氏からはプログラミングの具体的な方法についてレクチャーを実施。おみくじを題材にしながらソースコードから変数・乱数について学び、「凶ばかりが出るアプリ」にプログラムを書き換えるなど、少しずつコーディングに慣れていった。
最終日に富士通本社で開催された発表会では、色覚異常のある人でも使用可能なユーザーインターフェースやAIベースの合成音声ガイドの導入の他、クイズを通じて多文化の理解を促進する異文化共生アプリなど、社会情勢やトレンドを反映したアプリが各チームから発表され、日本女子大学の高齢者のデジタルデバイド、孤立化を解決するアプリ「つながりびより」が1位を獲得した。
2026年3月14日(土)には、本件を含むアプリ開発や卒業研究の成果を共有し合う「春休みプロジェクト発表会」を大妻女子大学にて開催。大学間の垣根を越えて開発・アイディアの幅を広げることを目的に実施する。
参考:【PR TIMES】全国で女子大の共学化・募集停止が進む中、5つの女子大学が企業と産学連携学生が未経験からアプリ開発、ICT分野の女性リーダー育成へ。WUSIC「アプリ開発ブートキャンプ」開催。
