群馬大学大学院医学系研究科機能形態学分野の村上徹准教授らの研究グループは、同大学情報学部との共同研究により、医学教育における解剖学実習のチーム編成をコンピューターで最適化する手法を開発した。さらに、最適化されたチームでは、成績および学生満足度が有意に向上することを明らかにした。
医学教育において学生が履修する解剖学実習は、解剖学そのものの難しさに加え、体力的にも精神的にも負担が大きい授業である。数名で構成されるチームで取り組むため、チーム編成が学習の成否に大きく影響する。
本研究では、学生同士が良好な関係を築きながら学びを深められるよう、相性に基づくチーム編成の最適化というアイデアを導入した。学生の希望や学習意欲を、厳重なセキュリティ下で実施したアンケートにより収集し、独自のローカルサーチアルゴリズム(効率よく最適な組み合わせを探索する計算方法)を構築した。この「Yukari法」を用いると、わずか数分で最適なチームを編成することができるという。
「Yukari法」で編成したチームは、従来のランダムに編成したチームや学生自身が編成したチームと比較して、成績が約10%向上し、チームに対する学生の満足度も顕著に改善することが示された。
チーム学習は、医学教育に限らず、基礎教育から高等教育に至るまで幅広い教育現場で行われている。また、企業活動などでも、効果的なチーム編成は成果を高めるうえで極めて重要である。「Yukari法」は、チームワークに基づく多様な分野の学習や活動に活用できる可能性を秘めている。
今後は、アンケート収集からチーム分けまでを自動化するシステムを構築することで、プライバシー保護を万全にしつつ、さらなる応用へと発展させることが期待される。
