金沢大学環日本海域環境研究センターは、2024年の奥能登豪雨で被害を受けて2年近く使用を停止した国際的な大気観測拠点「能登大気観測スーパーサイト輪島測定局」の移設工事を終え、2026年7月14日、石川県輪島市下山町の現地で開所式を開いた。輪島測定局の移設により能登半島における継続的な観測体制が復活する。
能登半島は大陸沿岸地域から適度な距離にあり、日本海に障害となる地形がなく、先端部は国内発生の大気汚染物質の影響を受けにくい。このため偏西風に乗って大陸からやってくる黄砂やPM2.5といった越境大気汚染物質について質の高い試料やデータが得られる条件が揃っている。
能登大気観測スーパーサイトは、最先端の大気環境共同研究プラットフォームとして2004年に設置され、国内外の研究者が国際共同観測研究を行っている。これまで20年以上にわたり輪島測定局(輪島市西二又町)と珠洲測定局(珠洲市三崎町)の2カ所で計測を行っていたが、令和6年奥能登豪雨により輪島測定局が大きな被害を受け、使用を停止していた。
開所式には、環日本海域環境研究センターの鈴木信雄センター長、唐寧教授(輪島測定局担当)のほか、下山町の地区区長、副区長、金沢大学理工研究域の瀬戸章文域長らが集まり、局内を内見した。
観測体制の復活により、これまで蓄積してきた観測データと国際的な研究ネットワークを基盤に東アジア地域における大気環境変動の解明に取り組み、地域と世界が直面する環境課題の解決に貢献していくとしている。
