「言葉は世界をつなぐ平和の礎」という建学の理念のもと、異文化理解と国際社会に貢献する人材育成に注力してきた神田外語大学が、2028年度に国際経営学部(仮称)を設置構想中だ。語学をはじめ、グローバルなビジネスに不可欠なスキルを、実践的に学ぶ。

英語を磨く。ビジネスを動かす。
神田外語大学が2028年度に新設予定の国際経営学部国際経営学科(仮称)は、外国語教育をコアとしつつ、ビジネス的な知識と発想、AI・データ活用のスキルなどを学ぶ。既存の外国語学部よりも、ビジネス面に重きを置いた学部となる。
「イメージしているのは、日本から海外に出てグローバルな環境で活躍できる人材、または日本にやってきた世界の人々と多文化共生する社会や場を作れる人材です。そのような人材を輩出するため、英語教育をコアとして、経営や経済に関する体系的な知識、ビジネス的な思考やスキル、AI活用やデータ分析について学び、自分の考えを的確に伝えるコミュニケーション能力を身につけるカリキュラムを構築します」と新学部構想について語るのは、国際経営学部長に就任予定の中條祐介教授だ。
神田外語大学のコアバリューである英語教育を基礎に、ビジネス視点での学びを強化する。これまでにも「ビジネス英語」という科目はあったが、英語学習の枠組みにとどまっていた。本学部では、語学基礎やビジネス英語を日本語で学ぶクラスから始め、英語でビジネスを学ぶクラスまで徐々にステップアップしていく。英語とビジネスを別々に学ぶのではなく、ネイティブスピーカーが使うビジネス資料やトピックを使い、ビジネス思考やプレゼンスキルと英語が一体となって身につくようにしていく。
このような授業内容について、貴重なヒントをくれたのは学生たちだった。「学生と卒業生に『こんな授業があれば良かった』と思うことをヒアリングしたところ、『もっとビジネスについて学びたかった』『英語でビジネスを学ぶクラスがほしかった』という声が聞かれました。新学部のカリキュラムには、そうした学生たちの声が反映されています」と、中條教授は語る。

多彩なビジネスを想定したプロジェクト型の学び
AI活用やデータサイエンスの科目も同学部の柱の一つだが、プログラミングを学んでエンジニアを育成することが目的ではない。ビジネスにおいて不可欠な、AI活用やデータ分析のスキル・知識を身につけることを何よりも重視している。
神田外語大学にはそのような学びの下地もすでにできあがっている。意外かもしれないが、有志学生や教員により構成されている「データAIラボ」という拠点があり、プロジェクトやワークショップを通じてデータサイエンスやAIのスキルを実践的に学んでいる。データ分析のプロである「DATASaber」「Tableau アンバサダー」の輩出や、AWSの「AIプログラミングコンテスト」では優勝も果たした。こうした取り組みを発展させて、新学部のカリキュラムの中に取り入れていく。
もう一つのカリキュラムの柱は、語学力やコミュニケーション力などを基盤に、総合的なビジネススキルを向上させるプロジェクト型の科目群だ。同学部では、グローバル企業や多様な組織での活躍をめざす「グローバル・ビジネスプロジェクト」と、観光ビジネスや多文化共生社会をテーマとした「インバウンド・ビジネスプロジェクト」を多数展開。1年次でプロジェクト基礎を学び、学年進行に合わせて段階的に高度な課題へ挑戦する。数か月から1年規模の留学や企業連携も取り入れ、実社会で求められる課題解決力と実践力を養う。
「プロジェクトを進める中で、自身の目標が明確になったり、さらに学びを深めたいと感じることもあるでしょう。その際は、多彩な選択科目から知識やスキルを補強できます。こうした学びは、本学が重視する「自立学習」に通底します。学修を振り返り、自ら評価しながら、目標達成に向けて主体的に学ぶ力を育む教育です」と、中條教授は語った。

キャンパスで多文化を体験し、ここから広い世界へと羽ばたく
実際、成長著しいインドネシア、タイ、ベトナムなど東南アジア諸国に進出する企業は年々増加している。新学部のコアカリキュラムではないが、学内の専門家から、東南アジア地域について学ぶことができるのも神田外語大学の強みだ。これらの地域でのビジネス展開を考える学生は、言語はもちろん、文化や歴史についても理解を深めることができる。一例として、 多文化共生のための学内施設「MULC(マルク)」にはアジアや中南米などの街並みや建物が再現されており、キャンパス内にいながら各国の文化に触れられる。そんな環境もグローバルなキャリアへの好奇心をかき立てるはずだ。
多彩な学びの中で新たな方向性が見えてきたときにどんな選択肢でもとれるように、本学部の履修には余裕を持たせる予定だという。高校卒業の時点ではそこまで先を見通すことはできないだろうが、入学した瞬間から、ここには広い世界が広がっていると中條教授は熱いメッセージを送った。
「グローバルビジネスという将来に向けて、まずは世界に対して好奇心を持ってほしいと思います。言語を学ぶことでその国への入口に立ち、その後も数々の体験型学修を通じて自身の可能性の広がりを感じられるでしょう。そんな4年間を過ごして、世界に羽ばたいてもらいたいと願っています」
国際経営学部 国際経営学科(仮称)特設サイト
https://gmc.kandagaigo.ac.jp/

神田外語大学 国際経営学部(仮称)学部長就任予定
中條 祐介教授
