香川大学経営委員会の学外委員が国立大学法人の機能強化に向け、国の支援充実を求める声明を発表した。運営費交付金の削減が研究力の低下を招いているとして増額に転じるよう訴えている。

 香川大学によると、声明を発表した学外委員は綾田裕次郎百十四銀行頭取、金子元久筑波大学特命教授、神余隆博関西学院大学国連・外交統括センター長、田中壮一郎帝京大学客員教授、千葉昭四国電力相談役、西原義一香川県副知事、藤岡実佐子帝国製薬社長の7人。

 声明では、国立大学が新たな知を創造し、未来を担う人材を育成する重要な公共財で、人類社会の発展や地方創生の中核をなす存在と位置づけたうえ、独立行政法人化以降、運営費交付金の削減で国立大学法人の経営が厳しい状況に追い込まれていると指摘した。

 現行の一定のメリハリをつけて運営費交付金を傾斜配分する手法については、それ自体を否定するものではないとしながらも、地域社会の要請などを十分に考慮するものになっておらず、教育・研究力の向上につながっていないとした。

 その結果、基礎研究や学術研究で世界との格差が広がり、他国の後塵を拝する苦しい状況に陥っているとして、各国立大学が機能強化を十分に果たせるようこれまで以上の財政支援を要請している。

参考:【香川大学】国立大学法人の機能強化へ向けた国による支援の充実を求める声明(PDF)

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