NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、「ディープテック・スタートアップ支援基金/科学とビジネスの近接化時代の大規模産学連携拠点形成事業(以下、拠点形成事業)」および「官民による若手研究者発掘支援事業(以下、若サポ契約学科型)」において、5大学の研究テーマを採択した。これにより、新しい産学連携の形である「契約学科」の設置が推進されていくことになる。
「契約学科」とは、産業界のリソース(資金提供、実務家派遣など)と大学のリソース(他学部・教員との連携など)を結集させることで、最先端の教育研究環境の整備を進め、修了した学生の採用も見据えた産学が協力して設置・運営する学位の授与を行う教育プログラム。
採択された大学は、神戸大学、東北大学、新潟大学、金沢大学、東京大学。これら5大学と連携先企業は、「契約学科」として、大学と産業界が一体となって設定した人材像に基づくカリキュラムを設計し、研究開発を実施する。
近年、国家が科学に大規模投資を行う「リニアモデル」の時代から、国家だけでなく産業界(ビジネス)も科学に投資を行う「科学とビジネスの近接化」とも言える新たな時代に変化している。日本でも、イノベーションに不可欠な“知の源泉”である大学と研究成果の社会実装の経験が豊富な産業界が連携し、イノベーションの創出、研究成果の社会実装、人材育成などに取り組むことが求められ始めている。
採択された5件の内訳は、拠点形成事業が3件、若サポ契約学科型事業が2件となっている。拠点形成事業では、補助金の交付により研究開発を支援し、研究開発内容の社会実装、ディープテック・スタートアップの創出につながる環境整備、産学連携のすそ野の拡大を推進し、大学を中心とした産学連携拠点の形成を目指す。契約学科を伴う提案であることは必須ではないが、採択テーマは全て契約学科の設置・運営を伴うものだった。
若サポ契約学科型事業については補助金の交付に加えて、新しい産学連携の形である「契約学科」の設置・運営を必須とし、産業競争力の強化に資する高度専門人材の育成と産学連携の高度化に取り組むことで、新産業の創出などに貢献することを目指す。契約学科では産業界のリソース(資金提供、実務家派遣、産業界の動向提供など)と大学のリソース(他学部・教員との連携、教員・学生の確保など)を結集させることにより、最先端の教育研究環境の整備を進めるとともに、修了した学生の採用も視野に、産業界でのインターンシップや産学共同研究への学生の参画などにより教育内容の充実を図る。
採択した5件の研究テーマは以下のとおり。
<拠点形成事業>
●「未来モビリティ・ロボティクス共創開発拠点の形成」
神戸大学×川崎重工業株式会社
●「0→1 の発見を1→100 の生産につなげる実用プロセス開発拠点の構築」
東北大学×公益社団法人新化学技術推進協会、日清オイリオグループ株式会社、株式会社レゾナック化学素材関連企業 等
●「“課題”を“価値”に変革する「フードテック・イノベーション」の研究開発」
新潟大学×オイシックス株式会社、株式会社シダックスフードサービス、Future Food Fund 株式会社
<若サポ契約学科型事業>
●「バイオマスバリューチェーン実装を加速する物質分離・変換・機能化技術の研究開発」
金沢大学×株式会社ダイセル
●「産学協創による博士人材のディープテック・イノベーション基盤の研究」
東京大学×ソニーグループ株式会社



