筑波大学附属病院の伊東完講師らが全国約2万人を対象にインターネット調査を実施した結果、転職経験者が頭痛や不眠、倦怠感という症状を起こしやすいことが判明した。特に初めての転職者では、これらの症状が強く現れる傾向が認められた。転職はキャリアアップに有効な方法だが、ストレスがたまりやすく、心身の不調につながっているとみられる。

 伊東講師らは全国の15~79歳の男女約2万人を対象に2022、2023の両年、インターネットを通じて実施した調査結果を分析した。

 それによると、2023年時点で過去1年間に転職した人は調査分析者の6%で、そのうち2%が初めての転職だった。2023年に新たに現れた頭痛や不眠、倦怠感などの症状が転職経験者に多く、初めて転職した人は転職していない人に比べて2~3倍に上ることが明らかになった。

 転職経験者には「残業が多い」、「仕事のペースを自分で決められない」、「夜遅くまで働かされる」などの不満を訴えることが多く、職場環境がストレスの原因になっている可能性が示唆された。いじめなどハラスメントを受けていることを訴える声もあった。

 この研究は転職と心身の不調の関連を明らかにした国内でも少ない事例で、伊東講師らは今回の調査で得られた知見を生かして企業や行政当局が転職者のメンタルヘルス支援を強化することが求められていると提言している。

論文情報:【Journal of Occupational and Environmental Medicine】Job Change and Self-reported Symptoms: A Nationwide Longitudinal Study in Japan

筑波大学

学際融合・国際化への挑戦を続け、知性と人間性を備えた人材を育成

学問文化の薫り高い国際都市、筑波サイエンス・シティの中核となる緑あふれる筑波大学。現在の教育体制は9学群・23学類、全ての分野から専門導入的な科目を履修することができ、創造的な知性と豊かな人間性を備えることをめざしています。師魂理才をもって、地球規模課題の解決[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。