札幌医科大学附属病院(札幌市中央区)は、国内で初めてとなる地域医療推進型高度遠隔ICU(集中治療室)を導入した。広大な土地に集中治療医師が偏在する北海道において、地方病院のICUと情報通信技術で連携する。
北海道では、道内にいる集中治療専門医131人のうち100人が札幌市に集中している。地方病院では限られた医療スタッフ、医資材で重症患者の対応にあたっており、夜間・休日の専門的対応も課題となっていた。札幌医科大学では地域医療の質を継続的に維持・向上させるため、遠隔地のICUを支援する新システムの構築を進めてきた。
札幌医科大学附属病院に開設された遠隔ICUには、支援する医療機関の電子カルテや生体モニターの情報がリアルタイムで連携され、集中治療に必要な情報が一元化されている。集中治療を専門とする医師や看護師が常駐し、各施設と連携を密にして支援を進めている。
患者の脈拍、呼吸、血圧、体温を自動解析し、重症度を測るシステムや、アラート情報を常時監視する機器、退室後48時間以内の死亡率、再入室率をAI(人工知能)で予測する機能を備え、支援を受ける医療機関のICU運営を高度化、最適化できる。
すでに2026年1月13日から北見赤十字病院(札幌から306km)と、1月27日から製鉄記念室蘭病院(札幌から140km)との運用を開始している。将来的には、道内すべてのICUをつなぐ「(仮称)北海道遠隔ICU医療ネット」の構築を見据えており、
地域医療を支える新たなモデルケースとして、その発展が期待されている。
