早稲田大学、西九州大学、同志社大学の研究グループは、筋肉が大きく、かつ長時間伸ばされた状態で力を発揮する筋力トレーニング(“筋トレッチング”と命名)が、筋肉を「柔らかく・強く・大きく」することを明らかにした。
スポーツやリハビリテーションの現場では、筋肉を柔らかくするためには反動をつけずに筋肉を伸ばす“静的ストレッチング”が、筋力や筋サイズを高めるためには“筋力トレーニング”が行われている。一方、本研究グループのこれまでの研究で、筋肉が大きく、かつ長時間伸ばされた状態で力を発揮する“筋トレッチング”でも、筋肉を柔らかくできる可能性が示されている。
今回の研究では、静的ストレッチングと筋トレッチングの筋肉を柔らかくする効果を比較するため、健康な若年男性11人を対象に、10週間にわたり週3回の介入を実施した。片脚には静的ストレッチング、反対側の脚には筋トレッチングを同じ時間で行い、それぞれが筋肉に与える影響を検討した。
その結果、どちらの方法でもハムストリングスの一部の筋肉の硬さが同程度に低下することが確認された。さらに、筋トレッチングを行った脚では、筋力や筋サイズが大きく増加した。これに対し、静的ストレッチングを行った脚では、一部の筋サイズに変化がみられたものの、筋力の増加は認められなかった。
本研究により、筋トレッチングが静的ストレッチングと同程度に筋肉を柔らかくするだけでなく、筋力や筋サイズも向上させる、いわば「一石三鳥」の新たな運動方法となる可能性が示された。この成果は、「筋肉を柔らかくするためにはストレッチング」という実践現場での一部の理解を変えうるものであり、筋力トレーニングに新たな価値をもたらすことが期待される。
