東北大学大学院工学研究科では、東京理科大学工学部工業化学科との共同研究により、二酸化炭素(以下CO2)とジオール(2個の水酸基が2個の異なる炭素に結合する脂肪族あるいは脂環式化合物の総称)を触媒的に直接重合させる方法を世界で初めて開発。「Scientific Reports」電子版に掲載された。

 CO2から有用化学品、特にスマートフォンのケースなどにも用いられる耐久性に優れたプラスチックであるポリカーボネートを合成する手法は、安価かつ安全な反応試薬としてCO2を利用し、排出量も削減する観点から開発が望まれていた。しかし「化学的に非常に安定的で反応性が低い」という性質ゆえに、変換は困難とされていた。またジオールとCO2から直接ポリカーボネートを合成する手法は、もっとも簡単かつクリーンな方法とされてはいるが、制約が厳しく、有効な触媒系も報告されていなかった。

 研究グループが今回開発した手法では、酸化セリウム触媒と2-シアノピリジンを用いて、CO2と1,4-ブタンジオールを130℃という比較的温和な条件で反応させることで、CO2と1,4-ブタンジオールが交互重合したポリカーボネートを97%という高収率で得ることに成功。さらにこの手法は近年活発に研究されているバイオマス由来のジオールを用いることから、化石資源を利用しないグリーンポリマーの合成を可能にするものともされている。

 ジオールを原料とする従来のポリカーボネート直接合成には有毒な試薬を用いた方法しかなかったが、今回開発された手法なら無害なCO2とジオールから一段で合成が可能ということになる。生産量の多いポリカーボネートをCO2を用いることで、今後同時にバイオマスから誘導されたジオールとの反応で合成が実現できれば、大幅なCO2削減につながるプロセスの構築が期待される。

東北大学
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大学ジャーナルオンライン編集部

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