1. 課題解決型産学連携講義としての社会人基礎力講義

2007年、経済産業省は若者が社会で仕事をするときに必要になる「社会人基礎力」を大学が育成・評価する仕組みづくりとして、「平成19年度産学連携による社会人基礎力の育成・評価事業」を募集した。この背景には大卒新規採用者の就職率を上げ、入社後の早期離職者の増加を食い止めたいという狙いがあった(図表1)。この募集案件において、大阪大学や宮城大学、東京電機大学など全国7大学がモデル講義として採択される中、筆者が企画・立案した講義も、勤務先である中京大学の講義の一つとして経済産業省のモデル講義第一号に採択された。

図表1:大学生の就職内定率の推移(文部科学省「学校基本調査」より筆者作成)

図表1:大学生の就職内定率の推移(文部科学省「学校基本調査」より筆者作成)

ここで社会人基礎力とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」と定義され、それぞれ下位能力要素をもった「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」という3つの能力から成る力であるとされている(図表2)※ 。

図表2:社会人基礎力(出典 経済産業省)

図表2:社会人基礎力(出典 経済産業省)

※経済産業省「産学の有識者による委員会(座長:諏訪康雄法政大学大学院教授)」

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坂田 隆文

坂田 隆文

中京大学総合政策学部教授、博士(商学)、中京大学教育推進センター委員会能動的学修検討部会部会長。名古屋大学、名古屋市立大学、金城学院大学非常勤講師。マーケティング戦略論、流通論、商品企画論を主な専門とし、「面白さ」と「わかりやすさ」と「有益さ」という3つを重視した講義・研修で定評がある。近著に『1からのリテール・マネジメント』(共編著、碩学舎)、『1からの商品企画』(共著、碩学舎)がある。近年では名古屋で若手企業人を集めた異業種交流勉強会を主宰するなど、活動の場を広げている。詳細は担当ゼミHP(http://www.sakataseminar.jp/)にて。