多摩大学経営情報学部・長島剛教授のゼミ生は、豊ヶ丘商店街(東京都多摩市)のコミュニティ拠点「健幸つながるひろば とよよん」において、2022年4月5日・19日の2日間、地域の高齢者を対象とした「みんなのメルカリ教室」を実施した。また、5月12日には、株式会社メルカリの社員、長島ゼミ生、長島教授が参加し、今回の取り組みの振り返りと今後の展望について意見交換会を行った。
「みんなのメルカリ教室」は、高齢化が進む多摩ニュータウンの活性化に寄与する活動の一環として企画されたもの。大学生と高齢者が「メルカリ」を通して信頼関係を構築し、多世代交流や地域コミュニティの活性化への貢献を目指す。会場として使われた「健幸つながるひろば とよよん」は、団地の一角に位置する商店街の中にあり、高齢者が集まり住民同士で交流できる貴重な場所となっている。
2日間開催した教室には、同地域に居住する11名の高齢者が参加。その動機として人との交流も目的の一つとして挙げられたが、捨てがたい思い出のある品をこれからも活用してもらいたいと望んでいる人も多かった。ゼミ生らはそのような高齢者たちの想いに寄り添いながら、出品するための手順や写真の撮影方法などについてレクチャー。高齢者にとっても、参加者同士で写真の撮り方を工夫したり、ゼミ生に説明を受けたりと、「メルカリ」デビューを目指して充実した時間を共有できる機会となった。
5月12日には、メルカリの社員、長島ゼミ生、長島剛教授が参加し、意見交換会を実施。受講者のアンケートをもとに、メルカリ教室の振り返りと今後の展望について語り合った。スマホ決済サービス「メルペイ」の利用で、売上金を次の買い物の際にスムーズに利用することが可能となり、地域経済の活性化に繋がることや、地域施設を拠点にしたメルカリコミュニティを作ることで住民の暮らしが豊かになることが期待されるといった可能性について話し合いが行われ、今後も活動を継続し、可能性の実現を模索することとなった。
今回、団地の一角で開催されたメルカリ教室は、初期入居から50年を超えた多摩ニュータウンの団地の課題解決に繋がる社会実験と位置づけることもできる。団地住民の高齢化が進む現状に、産学連携で地域を支える活動を同エリアの大学生が担う意味は大きいと言える。