帝京平成大学は2019年度より、救急救命士コースの学生を対象に、アメリカ・ロサンゼルス市を中心とした地域で病院前救急医療に関する海外研修を実施している。2024年度は健康メディカル学部医療科学科から11名、健康医療スポーツ学部医療スポーツ学科から4名が参加し、6泊8日の研修を行った。現地ではUCLA Paramedic School(カリフォルニア大学ロサンゼルス校救急救命士養成校)やロサンゼルス市の公的消防機関などで、病院前救急医療全般に関する理論や実技を学び、現地の学生との交流を通じて異文化コミュニケーションも体験した。

 この海外研修は、救急救命士コースの3年生を対象に、シミュレーション実習や病院実習、救急自動車同乗実習を終えた1月末から2月初旬にかけて実施されている。学生たちはUCLA Paramedic Schoolで救急搬送の歴史やパラメディック関連の講義を受けた後、活動シミュレーションをはじめ、3グループに分かれて胸部緊急処置や⾻髄路輸液といった⽇本では実施できない救命処置などの実習を実施した。また、複数の消防署で車両や設備の説明を受け、ストレッチャーの操作や署内の生活風景を見学するなど、実践的な学びを深めた。

 2024年度はロサンゼルス近郊で発生した山火事の影響で研修内容や見学先の変更を余儀なくされたものの、Paramedic Training Institution(カリフォルニア郡緊急医療サービス庁所管)を初めて訪問し、現役消防官と交流する機会も得た。さらに、バディプログラムを通じて現地学生とUCLA構内を散策したりカフェテリアで昼食を共にしたりすることで、英語でのコミュニケーション力や異文化理解を高めることができた。

 研修の終盤には自主研修として、グリフィス天文台やアイオワ記念館、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド、カリフォルニア・サイエンスセンターなどを少人数グループで訪問し、計画から移動手段の手配まで自ら行った。現地スタッフの協力と臨機応変な対応により、学生たちにとって有意義で思い出深い研修となった。帝京平成大学は今後も、柔軟な海外研修プログラムを通じて世界的視野をもった学生の育成を行っていくとしている。

参考:【帝京平成⼤学】米国でロサンゼルス救急救命研修を実施いたしました。

大学ジャーナルオンライン編集部

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