山口大学大学院医学系研究科は、猫から人へ感染する感染症「猫ひっかき病」について、医療現場で即座に診断可能な「迅速検査キット」を開発・実用化するためのプロジェクトを立ち上げ、研究費のクラウドファンディングを開始した。
感染した猫の多くは無症状だが、人間が感染すると、リンパ節の腫れや発熱症状が現れる。まれに、視力が低下する視神経網膜炎や肝臓や脾臓に肉芽(こぶのような塊)ができる肝脾肉芽腫などを発症することがある。免疫力が低下するとさらに重い症状を引き起こすこともある。特に秋から冬にかけて増加する傾向にあり、患者の半数以上(約6割)は15歳以下の子どもで、日本では推定で年間約1万人が罹患している。
山口大学大学院医学系研究科病態検査学講座の研究室は、長年「猫ひっかき病」の解明に全精力を注ぎ、約30年にわたりこの病の血清検査を専門的に実施している。しかし国内では検査ができる施設が限られ、診断まで時間を要することから、患者たちは原因不明の体調不良に苦しんでいる。
そこで今回、より迅速・簡単な診断法を確立するための検査キットの開発を目標としたプロジェクトを立ち上げた。また、円滑なプロジェクト実施のためにクラウドファンディングを開始した。
クラウドファンディングは「READYFOR」にて2026年3月18日(水)23時00分まで募集する。3000円から支援を受け付けており、第1目標は400万円。プロジェクトチームは「日本中の愛猫家と、そのご家族の安心を守るための挑戦をどうかご支援いただき、私たちと一緒に『猫と安心して暮らせる明るい未来』を切り開きましょう」と支援を呼びかけている。
