中部大学は、国立成育医療研究センター、名古屋市立大学と共に、The SCC Surf Therapy Japanの運営協力の下、知的障害のある子どもや若者を対象とした「サーフセラピー」プログラムを日本で初めて試行し、健康関連の生活の質(QOL)と心理的幸福感が改善したことを明らかにした。
サーフセラピーは、サーフィンや海での活動を治療的・支援的に活用するプログラムで、海外では子どもや若者の気分、自信、社会的交流、身体活動などへの効果が報告されている。しかし、日本では、知的障害のある子どもや若者を対象としたサーフセラピーの実施可能性と安全性を検討した研究は報告されていなかった。
研究グループは今回、全6回のサーフセラピープログラムを、知的障害のある自閉スペクトラム症(ASD)やダウン症の子どもと若者を対象に試行し効果検証を行った。
研究では、プログラムへの参加状況、継続率、データ取得状況、安全性を確認し、プログラム前、終了後、1か月後の3時点の健康関連QOLの変化を、保護者代理評価による「KIDSCREEN-27」(健康関連QOL評価の国際的に活用される調査票)を用いて検討した。評価対象者6名(7~21歳)は、6週間(週1回)のプログラムのほとんどに積極的に参加した。
その結果、調査票の総得点(全般的健康)は、プログラム前の平均 81.5±9.2 点から 1 か月後には106.5±13.0点へ上昇し、統計的に有意な改善を認めた。下位尺度では、心理的幸福感が、プログラム前の平均 23.0±1.9 点から 1 か月後には26.5±2.2 点へ上昇し有意に改善した。
今回の研究結果が、国内の障害のある子ども・若者の地域参加、インクルーシブな自然体験、そして海を活用した新しい支援モデルの発展に向けた基礎的知見となることが期待されるとしている。

