東京大学大学院工学系研究科の松尾・岩澤研究室(以下、松尾研)は、学校教育の枠組みのなかでAIの本質と仕組みを学べる体系的なカリキュラムについて、教材開発に一定の目処が立ったことから、全国でトライアル校とパイロット校を公募している。 一次締切は2026年9月30日(水)。あわせてブラウザ上でPythonの演習が行える学習環境「PyHiroba」のβ版を公開する。
本カリキュラムは導入と全4章、あわせて5つの「モジュール」で構成。高校の学校設定科目などでの運用に適した2単位(計60コマ程度)の体系的な内容を備えると同時に、各モジュールを単独で抽出し、「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」「総合的な探究の時間」などの既存授業へ柔軟に組み込むことができる。
対象は、数学Ⅰ・Aおよび「情報Ⅰ」を履修した高校1年生相当を前提に設計。数式を極力減らして図解を中心に構成している。演習ではサンプルコードを用いるため、プログラムを書くこと自体を目的とはしていない。各モジュールの内容や進め方は、生徒の状況に応じて調整することが可能となっている。教材は章ごとに順次開発を進めており、教材全体は2027年4月の展開を予定している。
「高校生向けAI教育プロジェクト」と題してこのカリキュラムの全国の高等学校への普及を目指す松尾研では、2026年1月〜3月に全国3校・計552名の高校生を対象とした先行モデル授業を実施し、2026年8月には、全国高等学校情報教育研究会 全国大会において本プロジェクトの取り組みを発表、全国の情報科教員から大きな反響があった。
本募集では、開発中のカリキュラムを2026年度中にモジュール(章)単位で先行実施する「トライアル校」と、2027年度以降に通年で導入を検討する「パイロット校」を、あわせて募集する。いずれも、実際の授業のなかで生徒に取り組んでもらうことを前提とし、松尾研が開発したカリキュラム・教材および実施に係る支援を原則無償で提供する。実施内容や規模は、各学校の教育課程やICT環境等の事情に応じて個別に相談を受ける。
今後、松尾研では、トライアル校・パイロット校での実践を通じて、カリキュラム・教材、教員向けの養成プログラム、授業運営を支える仕組みを継続的に改善し、2028年度以降の全国展開を目指す。
参考:【東京大学】東京大学 松尾・岩澤研究室、高校生向けAIカリキュラムの「トライアル校・パイロット校」を全国公募─2単位約60コマの本格的なAIカリキュラムを開発、検証協力校の募集を開始─
