関西医科大学の古藤雄大講師らの研究チームは、世界中の文献に基づいて、重症心身障害児のきょうだいの経験とその構造、必要とされる支援について明らかにした。

 近年の研究では、重症心身障害児の「きょうだい」(兄・姉・弟・妹の総称)は様々な悩みや課題を抱えていることが示されている。しかし、それに関して包括的な取りまとめはなされていなかった。

 研究チームは今回、20歳未満の重症心身障害児のきょうだいに、インタビューなどの方法で経験や語りが示された5万1941件の世界中の論文を1件ずつ確認し、10件の研究を同定した。そこから、39個のきょうだいの経験を示す知見を抽出し、内容の類似性に基づいて統合した。きょうだいの経験の構造を明確にし、支援検討に向けてきょうだいが経験している事項を、人間関係の範囲を基に分類した。

 その結果、重症心身障害児のきょうだいの経験は、①きょうだい間の関係(例:きょうだいの成長、受容、プライベートな時間への影響など)、②家族における力学(例:現在および将来のケアに関する考慮事項など)、③家族以外の場での重症心身障害児のきょうだいとしての経験(例:周囲からの誤解や支援の求め方など)のテーマに統合された。

 これらのテーマは、きょうだいと重症心身障害児の関係、きょうだいと重症心身障害児を含む家族内の関係、学校や友人などの社会生活での関係の3つのレベルで整理された。

 今回の研究は、重症心身障害児のきょうだいの経験を包括的に統合した世界で初めての試み。専門職からの支援・情報提供、家族間での話し合いの支援、医療者と連携した学校環境での支援など、今後の支援や研究について方向性が得られたとしている。

論文情報:【International Journal of Nursing Studies Advances】Experiences of Children and Adults Having a Sibling with Profound Intellectual and Multiple Disabilities: A Qualitative Systematic Review

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