東京科学大学と山形大学の研究グループは、死後長期間が経過した遺体の1本の歯から、出生年、死亡時年齢、居住地域、薬物使用歴、性別、DNA型の6種類の法医学的情報を統合的に取得できることを世界で初めて実証した。

 歯は人体の中で最も硬い組織で、腐敗や白骨化が進行した遺体でも最後まで残存しやすい。これまで、出生年推定、死亡時年齢推定、居住地域推定、薬毒物分析、性別判定を含むDNA型解析は、それぞれ異なる歯や歯全体を用いて個別に行われていた。

 研究グループは今回、白骨化や高度腐敗した遺体から採取した1本の歯から、歯を構成する各組織の特性を生かし、エナメル質、象牙質、歯髄、セメント質それぞれに最適な分析法を適用した。

 エナメル質では放射性炭素(14C)分析による出生年推定と炭素安定同位体(13C)分析による居住地域推定、象牙質ではアスパラギン酸ラセミ化反応による死亡時年齢推定、歯髄と象牙質では薬毒物分析、セメント質と象牙質ではDNA型解析(性別判定を含む)を実施し、1本の歯から6種類の法医学的情報を統合的に取得できることを実証した。

論文情報:【Scientific reports】Multiple forensic insights for human identification using single teeth with applicability to advanced postmortem remains

東京科学大学

世界を切り拓く先駆者として、社会とともに新たな価値を創造し、科学の可能性を拡張する。

東京科学大学は2024年10月に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して設立されました。両大学の学部や研究科はそのまま引き継がれており、理工学と医歯学の「医歯理工連携」で、新しい研究分野を開拓していきます。また2025年4月からは、自身の専門分野とは異なる分野[…]

山形大学

人を生かし、地域を生かし、世界を生かす。生きる力を育てる大学

山形大学は、人文社会科学部・教育学部・理学部・医学部・工学部・農学部・社会共創デジタル学環の6学部1学環を構える東日本でも有数規模の総合国立大学。「自然と人間の共生」をテーマとし、「地域創生・次世代形成・多文化共生」の3つの使命と「豊かな人間性を有する人材を育[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。