中京大学工学部の磯直行教授(電気電子工学科)が文部科学大臣表彰「科学技術賞」(理解増進部門)を受賞した。業績名は「宇宙飛行士との交信体験による子供向け無線科学の理解増進」。磯教授は2013年の総務省表彰に続いての受賞だ。

 磯教授のチームは東海4県内各地で地域に密着した「出前型」科学理解増進活動を継続的に行ってきた。契機となったのは2005年の日本国際博覧会(愛・地球博)での活動。それ以降、NASAとの共同プロジェクトにより小中学生と国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士との無線交信体験(ARISSスクールコンタクト)を東海地方で計12回企画。約200人の小中学生が交信に成功。また電子工作教室やサイエンスカフェを実施し、5,500人以上の小中学生が参加した。

 参加した小中学生は宇宙飛行士へ直接質問し返事を受け、また家族や地域住民も宇宙科学、無線工学への理解を効果的に進めて、サイエンスカフェなどを連携して実施することで波及効果を生んだ。また中京大学の学生をはじめとする大学生ボランティアを含めた関係者の協働・連携による実施は、一体感・やりがい感の提供に寄与していると評価された。

 磯教授は「受賞したことは大変嬉しいですが、地域の学生ボランティアやアマチュア無線連盟など多くの方の協力がなければなりたちませんでした。携わった皆さんの代表として受け取ったという思いです」と感謝を述べた。

 文部科学省は科学技術分野で顕著な成果を収めたチームや人を「科学技術分野の文部科学大臣表彰」として顕彰。理解増進部門は、青少年をはじめ広く国民の科学技術への関心や理解の増進や地域での科学知識の普及啓発に寄与したチームや人が対象となる。

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