東進ハイスクール・東進衛星予備校などを運営する株式会社ナガセは、「東進海外大学留学支援制度」を活用して英国ケンブリッジ大学経済学部に留学中の遠藤宏哲さんが、日本人で初めてアダム・スミス賞を受賞したことを報告した。
アダム・スミス賞は、ケンブリッジ大学経済学部にて、Economics TriposのPartⅡB(3年次の学年末試験、英国大学は3年制のため卒業試験にあたる)および卒業論文を合わせた総合成績で1学年約160名中1位の学生に与えられる栄誉ある賞。受賞者には、ケインズ経済学の祖であるジョン・メイナード・ケインズ(1909年受賞)、アジア人初のノーベル経済学賞受賞者であるアマルティア・セン(1954年受賞)、インド前首相であるマンモハン・シン(1956年受賞)など、錚々たる受賞者が名を連ねている。
アダム・スミス賞を受賞した遠藤さんの卒業論文は「パンデミック下の感染者数と経済損失のトレードオフを改善する方法について」。個人の合理的意思決定により感染者数と経済活動レベルが決まるモデルを用いて、人々の利他精神や政府の広報、政府の政策の不確実性等が上記トレードオフに与える影響を理論的に調査した。
遠藤さんは今回の受賞と今後の目標について「このような栄誉ある賞をいただき光栄に思います。私の関心は動学的一般均衡モデルを用いたマクロ経済分析です。現実と密接に関連したモデル研究・分析を通じて社会の厚生を高め、日本・世界経済の安定に貢献したいです。確かに、抽象的な経済理論を現実経済へと即座に応用することは困難かと思いますが、後々に、経済について考える上で人々が参照する思考のフレームワークやアイディアを提供できる研究を目指しています。東進の海外大学留学支援制度のおかげで、高インフレに加え、円安という状況下でも勉学に集中することができている環境に感謝し、恵まれた環境を最大限に活かすことができるよう、精一杯頑張ります」と語った。
東進海外大学留学支援制度は、日本全国の未来のリーダー候補である高校生に対して、世界のトップレベルの頭脳が集う海外大学への進学を支援するもの。ハーバード大学、プリンストン大学、イェール大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア工科大学、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学を対象に、全国統一高校生テスト決勝大会の成績と人物評価面接により選抜、各学年最大10名を支援する。2024年の支援候補者は高校1年生2名、2年生1名、3年生1名が選ばれている。
支援額は米国の大学は1人あたり総額38万ドル(年間9.5万ドル4年間、約5,700万円)を給付、英国は1人あたり総額26万ポンド(年間6.5万ポンド4年間、約4,700万円)を給付する。いずれも返済不要。
※2023年9月30日時点の為替レートで計算