岡山大学の総合技術部は、技術職員の高度専門人材養成を強化促進するため、東京工業大学が事務局を務めるTCカレッジのサテライト校として活動している。2023年度は試行として「TCカレッジ医工系コース」 を開講しており、12月18、19日に中級カリキュラム「3Dプリンタ実習(基礎)」を実施した。
TCカレッジは2021年度から東京工業大学で始まった技術職員を対象とした高度人材育成のためのプログラムで、高い技術力・研究企画力を持つ技術職員をテクニカルコンダクター(TC)として認定する制度。岡山大学も参画しており、2023年度は「医工系コース」を試行し2024年度からの本格運用を目指している。
今回開催した「3Dプリンタ実習(基礎)」は、津島キャンパスの工学部工作センターで実施。総合技術部設計製作・社会基盤技術課の工作センター配置の技術職員が講師を務め、工作センターに設置している2台の3Dプリンタ(PartPro300xTとMarkfoged X7)を使いカリキュラムを実施した。
1日目は3Dプリンタの仕組み等基礎知識の座学を行った後、工作センター2階のプログラム室モデリングソフトを使って3Dデータを作成し、PartPro300xTで出力実習を行った。2日目は、1日目と別のモデリングソフトを使って3Dデータを作成し、Markfoged X7で出力実習を行った。
また、次年度以降のカリキュラム共同運用について検討するため、TCカレッジサテライト「情報系TCコース」の山口大学の担当者と東京工業大学情報系コースの担当者もオンライン参加し、意見交換を行った。
今回のカリキュラムについて、総合技術本部長を務める佐藤法仁副理事・副学長・URAは、3Dプリンターの技術は日進月歩であり、学術界においても日々の教育研究活動で使用することも多くなっていることから、技術職員の高度化を全学を挙げて戦略的に進めるとコメントした。
岡山大学総合技術部では1月22日に、技術職員の組織化やキャリア形成などを議論するシンポジウム「チーム共用による技術職員組織構築の過去・現在・未来」 を開催。研究力の強化に向けて、2023年4月、80人の技術職員を組織化し「総合技術部」を立ち上げた岡山大学が、技術職員の組織構築をテーマに、文部科学省や3大学(東京工業大学、山口大学、琉球大学)とともに、組織の立ち上げから現在に至るまでのプロセスや工夫、課題、発展等について議論した。
参考:【岡山大学】TCカレッジ医工系コース 中級カリキュラム「3Dプリンタ実習(基礎)」を実施 ~技術職員の能力・技術向上の強化としての医工連携カリキュラム第二弾~
シンポジウム『チーム共用による技術職員組織構築の過去・現在・未来』