2025年3月17日、跡見学園女子大学は「学園創立150周年宣言」の中で、2029年度をめどにキャンパスを一元化する方針を発表した。現在は全学部の1・2年生が新座キャンパス(埼玉県新座市)、3・4年生が文京キャンパス(東京都文京区)と分かれているが、4年間、地下鉄丸ノ内線 茗荷谷駅より徒歩約2分の文京キャンパスに通うことになる。

 跡見学園女子大学は、1965年に文学部の単科大学として開学。2002年、「第2の開学」ともいえる「マネジメント」を冠した日本初の社会科学系学部であるマネジメント学部を設置した。その後、観光コミュニティ学部、心理学部を開設し、2026年度には初の理系学部となる「情報科学芸術学部」の開設を構想しており、これを「第3の開学」と位置づけている。

 2026年度に新設を構想している「情報科学芸術学部」(入学定員80名)は文京キャンパスに設置し、デジタル社会で重要性が増す、AI(人工知能)やデータサイエンス(情報科学)、メディアアート(情報芸術)などの専門知識と技能を身に付け、現代の複雑化した社会課題を解決に導く人材を育成する。

 なお、情報科学芸術学部の新設にともない、2026年度より、文学部コミュニケーション文化学科(入学定員110名)、マネジメント学部生活環境マネジメント学科(同80名)、観光コミュニティ学部まちづくり学科(同80名)の募集を停止し、今後の学部学科再編において発展的に継承する。

 東京23区内にある私立大学は、2018年度から10年間、収容定員増ができないように規制(以下「23区規制」)がかけられている。2024年度からは、高度なデジタル人材育成を目的とした学部学科についてのみ、開設から最大7年間などの条件で、例外措置として定員増や新設が認められた。しかし、これを利用する大学は少なくなっている。

 予定通りいけば、23区規制は2027年度末に失効する。これを見据えて、法政大学は2030年をめどに経済学部を多摩キャンパス(東京都町田市)から市ヶ谷キャンパス(東京都千代田区)に移転させることを発表している。今回の跡見学園女子大学のキャンパス一元化の発表は、これに次ぐものとなっている。

 しかし23区規制が延長となったり、新たな例外措置が設定されるのみとなる可能性も考えられ、その場合は、両大学とも再度検討をすることになると考えられる。

参考:【跡見学園女子大学】学園創立150周年宣言 「第3の開学」へ、打ち破れ!ATOMI

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。