大学ランキングを毎年編纂しているQS Quacquarelli Symonds社は、アジアの大学を総合的に比較するランキングの2021年版を発表した。
2021年版QSアジア大学ランキングは、アジアにある上位650大学の比較データを提供。調査対象の大学数を前回よりも18%増やしており、アジア地域の高等教育セクターに関するQS史上最大規模の比較評価となっている。アジアの大学トップ3は、1位は4年連続でシンガポール国立大学、2位清華大学、3位南洋理工大学だった。
発表されたリストには日本の大学105校がランク入り。2020年版に比べて16校の増加となり、日本の大学の数としては今までで最多に。東京大学は日本で最高位の大学という地位を維持したものの、総合順位は前年よりも2ランク低い15位となり、同大学の順位としては過去最低となった。
日本の大学でそれぞれ2位と3位になった京都大学と東京工業大学は、両校とも順位を下げているが、【学術的な評判】【雇用者からの評判】【学生一人当たりの教員比率】で100点満点中の90点台を獲得。また、日本の上位20校の中で順位を上げた唯一の大学は東京理科大学で、順位を5位上げて137位となった。
QS社のリサーチ責任者であるベン・ソーター氏は、『過去1年間に日本の大学が雇用者からの評価を向上させた一方で、学界では日本以外の卓越性に対する認識が高まりつつあります。このことは、私たちが現在認識しつつある一貫したパターンを、おおむね反映しています。すなわち、研究のインパクトを測定する私たちの指標では、アジア大陸の各国での日本のライバル校がしっかりした足場を築き続けています。ランク入りした日本の大学のうち79校で研究の質を表すスコアが過去12ヶ月間に下落しており、当地域での地勢的競争力が高まっているのとは対照的です』とコメントした。
※2021年版QSアジア大学ランキング(上位50位以内の日本の大学)
15位東京大学(前回13位)
17位京都大学(前回15位)
20位東京工業大学(前回17位)
22位大阪大学(前回22位)
23位東北大学(前回23位)
29位北海道大学(前回29位)
31位九州大学(前回30位)
32位名古屋大学(前回28位)
40位早稲田大学(前回38位)
45位慶応義塾大学(前回41位)
49位筑波大学(前回49位)
※2021年版QSアジア大学ランキング―地域の上位5校
1位シンガポール国立大学(シンガポール:前回1位)
2位清華大学(中国:前回4位)
3位南洋理工大学(シンガポール:前回2位)
4位香港大学(香港SAR:前回3位)
5位浙江大学(中国:前回6位)
参考:【QS Quacquarelli Symonds】QS Asia University Rankings 2021