2025年11月8日(土)・9日(日)、岡山県倉敷市で二松学舎大学文学部(東京都千代田区)の学生有志による「体感型推理ゲーム 名探偵刑部大輔の事件簿~桃李成蹊の導~」が開催された。倉敷市のイベント「巡・金田一耕助の小径」の一企画として2016年度から継続しており、今年で10回目。今回は47名がゲームを楽しんだ。
二松学舎大学は創設者の三島中洲氏が倉敷市出身で、倉敷ゆかりの作家・横溝正史の原稿・草稿約1万2千点ほか多数の関連資料を所蔵し、横溝研究をリードしてきた。そこで2016年に両者で連携協定を締結し、学生による「巡・金田一耕助の小径」への参画が始まった。
「名探偵刑部大輔の事件簿」シリーズは、体感型謎解きゲームとイマーシヴ・シアター(観客も演者として参加する没入型演劇)を融合させたイベントである。今回の「桃李成蹊の導」編は、ニュース映像風の動画と演劇で始まり、参加者は「桃太郎に由来する隠された財宝の謎を追う探偵見習い」という設定で美観地区へ繰り出す。4〜5名のグループに分かれ、倉敷物語館、倉敷館観光案内所、きび美ミュージアム、倉敷市立美術館の4会場で「探偵」役学生から出される謎を解く。謎は倉敷の歴史・名産品・二松学舎大学の由来などを題材とし、街歩きと学びが一体化した仕掛けだ。最後は倉敷物語館に再集合し、締めくくりの演劇パートで推理結果を共有して大団円を迎える。
アンケートでは回答者全員が「楽しかった」または「どちらかといえば楽しかった」と回答。「謎解きを通じて倉敷の知らなかった面を知れた」「来年も参加したい」といった声が多く、リピーターも定着している。
学生たちはコンテンツ制作だけでなく、ロードマップ作成、関係機関調整、広報、当日運営、人員配置、会計処理まで主体的に担う。ノウハウは年度ごとに引き継がれ、アンケート結果を含めた詳細な報告書も学生が作成する。こうした一連のプロセスは、有志学生が立案・実行するPBL(Project Based Learning)の実践であり、文学部で培った知識・スキルを学外協働で社会に還元する試みとなっている。
