名古屋工業大学は学士課程と博士前期課程の授業料引き上げを決めた。2025年度の東京大学に次ぐ国立大学学士課程の授業料2割の値上げで、首都圏以外では初。学士課程は2026年4月入学生から、博士前期課程は2027年4月入学生から導入する。同時に、引き上げにより経済的な負担増で進学をあきらめる学生が出ないようにするため、大学独自の修学支援制度を設ける。
名古屋工業大学によると、授業料引き上げは学士課程の高度工学教育課程、創造工学教育課程が現行の53万5,800円を64万2,960円に、基幹工学教育課程26万7,900円を32万1,480円にする。博士前期課程は現行の53万5,800円を64万2,960円に上げる。博士後期課程は現行のまま。編入生、転入生は2028年度4月入学生から適用する。
独自の修学支援制度は、学士課程が世帯収入約460万円以下を全額免除、約670万円以下を半額免除で申請可能とする。博士前期課程は世帯収入約480万円以下を全額免除、約700万円以下を半額免除で申請できる。学生の申請に基づき審査を経て決定する。免除の基準となる世帯年収は家族構成により異なる。
名古屋工業大学は中京地区の産業界の求めに応じ、多様な人材を育成してきた。しかし、国立大学の独立行政法人化後、国からの支援が減少し、人材育成に必要な教育施設の劣化が進んだうえ、昨今の人件費、物価の高騰で大学経営が圧迫されたため、5月から授業料改定の検討に入っていた。
名古屋工業大学の小畑誠学長は「産業構造の転換でより高度な人材の育成が求められているが、期待に応えるためには、必要な修学環境の改善やAIをはじめとする高度な学修基盤への更新が欠かせない。引き上げに理解してほしい」とのコメントを発表した。
国立大学 学士課程の授業料値上げについては、2019年度に東京藝術大学と東京工業大学(現 東京科学大学)、2020年度に 千葉大学と一橋大学・東京医科歯科大学(現 東京科学大学)、2024年度に東京農工大学、2025年度に東京大学が導入している。
※東京科学大学(理工学系)のみ、53万5800円→63万5400円。他大学は、53万5800円→64万2960円。
東京藝術大学のみ入学金も28万2000円→33万8400円に値上げ。
<高等教育の修学支援新制度+名古屋工業大学独自の修学支援制度>2026年度 年収目安別 授業料と入学金負担額
・年収目安270万未満 授業料全額免除
授業料負担ゼロ+入学金負担ゼロ
・年収目安270万~300万未満 授業料全額免除
授業料負担ゼロ+入学金負担9.4万円
・年収目安300万~380万未満 授業料全額免除
授業料負担ゼロ+入学金負担18.8万円
・年収目安380万~460万以下 授業料全額免除
授業料負担ゼロ+入学金負担28.2万円
・年収目安460万~600万未満 授業料1/2免除
授業料負担32.148万円+入学金負担28.2万円
・年収目安600万~670万以下 授業料1/2免除
授業料負担32.148万円+入学金負担28.2万円
・年収目安680万超
授業料負担64.296万円+入学金負担28.2万円
※授業料の免除については、学生の申請に基づき審査を経て決定する。免除の基準となる世帯年収は家族構成により異なる。
(多子世帯を除く。文部科学省と名古屋工業大学発表の資料よりUS進学総合研究所が作成)
