日昌電気制御株式会社(大阪府)は、近畿大学情報学部の角田雅照准教授らの研究グループとの共同研究を実施し、知的ハンディキャップを持つ労働者に対してゲーム要素を持つソフトウェアを導入した場合の効果は1年後も持続し、平均で13%生産性が改善したことを明らかにした。
ゲーミフィケーションは、ゲーム以外の作業に対してランキングなどのゲーム要素を導入し、作業モチベーションを高める方法。これまで、ゲーミフィケーションの効果は多側面で分析されてきたが、現実に近い環境(実際の企業)で、知的ハンディキャップを持つ労働者が長期間利用した場合の効果は不明だった。
そこで研究グループは、企業での労働に対して、ゲーミフィケーションの仕組みを取り入れたソフトウェアを導入。シーツを機械に投入する作業で、投入したシーツの枚数に応じて、ソフトウェア内のキャラクターが成長するものだ。知的ハンディキャップを持つ労働者4人の利用で、ソフトウェア導入前と導入1年後の生産性(シーツ投入量/1時間)を比較した。ソフトウェアは、日昌電気制御株式会社の「REAL FOCUS」を利用した。
その結果、1年後も労働者4人全員の生産性が改善し、最小で103.6%、最大で127.0%、全体平均では13.0%の改善が見られた。この効果から、ゲーミフィケーションは少なくとも39.8%の知的ハンディキャップを持つ労働者に効果があると推測された。
実験参加者数は少ないが、長期間の効果測定の点で学術的価値は高いという。国内の知的ハンディキャップを持つ人(児童含む)は約109万人で貧困りクスが高いとされる。今回の成果は知的ハンディキャップを持つなど多様な労働者の就業機会拡大に役立つことが期待されるとしている。
