今や順天堂大学は9つの学部、8つの大学院研究科を持つ「健康総合大学」である。時代や社会の要請に応えながら、独自の相乗効果を生み出し、さらなる躍進を遂げようとする大学の現在地と未来展望を、代田浩之学長が語った。

 

人生100年時代健康長寿のために健康総合大学に求められる役割

「順天堂大学は江戸時代に開設された蘭医学塾から始まります。『教育』『研究』『診療・実践』という3つの柱を軸に医療・健康・福祉を実践できる全人教育を開学以来、約2世紀近く行ってきました。今日に至るまで、そしてここ10年の間に国際教養学部、保健医療学部、医療科学部、健康データサイエンス学部、薬学部を開設してきました。健康総合大学としての陣容を着実に整えつつあるのです」

 代田浩之学長が、順天堂大学の歩みを振り返った。長らく医学と看護、スポーツ健康科学を学びの軸としてきた順天堂大学だが、一連の新学部開設について、代田学長は次のように続ける。

「医学、医療が高度化し、専門分化の一途をたどるなかで、医療の質を向上させるために力量のあるメディカルスタッフ養成は必須です。私たち順天堂大学に課せられた一つのミッションだと受けとめ、時代と社会の要請に応えた形です」

 人生100年時代ともいわれる昨今、そのベースは、健康長寿をいかに実現するかが課題の一つだ。先進医療、救急医療、がん治療、高齢者医療など、高度で複雑化した医療を担う医師、看護師に加え、実践力のある医療専門職やデータサイエンスを駆使した健康科学、予防医学などを担うスペシャリストが必要とされる現在において、健康総合大学・順天堂大学に寄せられる期待は大きい。

さらなる躍進を遂げ未来を拓く健康総合大学

 順天堂大学が「健康総合大学」として躍進を続けている理由は、その圧倒的な包括力と、あらゆる視点から「健康」を学ぶ学問が融和した独自の相乗効果にある。順天堂大学は現在、9学部、8大学院研究科、6附属病院、5キャンパスを擁し、日本の医療・保健・スポーツ界を牽引する「揺るぎなき知の拠点」へと成長を遂げた。

 最大の特徴は、学問の多様性と医療現場の圧倒的な直結力だ。医学部を筆頭に、スポーツ健康科学、医療看護、保健看護、国際教養、保健医療、医療科学、健康データサイエンス、薬学といった最先端のニーズを捉えた9学部が有機的に連携している。蓄積された知見は8つの大学院研究科でさらに深められ、高度な専門性と豊かな人間性を備えた人材を次々と社会に送り出している。

「この教育を強力に支えるのが、国内トップクラスのネットワークを誇る『6つの医学部附属病院』の存在です。総病床数3589床を数える圧倒的な臨床環境は、学生たちにとってこれ以上ない実践の場であり、最先端医療のリアルを肌で学ぶ機会を、私たちは日常的に提供しています」

 さらに、多様な個性が集う「5つのキャンパス」は、それぞれの地域特性や学問の性質に最適化され、学生たちが互いに刺激し合いながら「仁」の精神を育む理想的な環境が整っている。

 これほど広大な組織でありながら、順天堂大学の根底には「不断前進」の精神が一貫して流れている。現状に満足することなく、時代の変化を先回りして組織を発展させ、学生や社会に対して「質の高い貢献」を提供し続ける姿勢こそが、順天堂大学の真のブランド力と言えるだろう。

 最先端のデータサイエンスから伝統の医学、スポーツまでを網羅し、全方位から「健康」に貢献する。その強固な連動性と進化(深化)のスピードは、これからの日本の高等教育、そして医療の未来を明るく照らす確かな道標となっている。

新たな知の拠点浦安・日の出キャンパス

 順天堂大学の「不断前進」を象徴する新たな知の拠点として、広く社会の耳目を惹きつけているのが「浦安・日の出キャンパス」である。開放的で洗練されたロケーションに位置する浦安・日の出キャンパスは、最先端の知を社会へ還元するイノベーションの舞台を体現している。

「ここには、激変する現代の医療・情報社会のニーズを的確に捉えた、3つの先進的な学部が集結しています」

 高度化する医療現場を支え、実践的な臨床能力と豊かな「仁」の精神を備えた医療専門職(臨床検査技師・臨床工学技士)を育成する「医療科学部」。最先端のAI・データ解析スキルを駆使して医療や健康の課題を解決する「健康データサイエンス学部」。そして、高度な専門知識と豊かな人間性を持ち、次世代のチーム医療を牽引する薬剤師・薬学研究者を育成する「薬学部」だ。

「これら3学部が1つのキャンパスに集うことで、学問の垣根を越えた独自の相乗効果が生まれています。医療の現場、データの力、そして薬学の英知という異なるアプローチが有機的に融合するこの環境こそ、健康総合大学・順天堂大学ならではの唯一無二の強みなのです」

 美しい景観のなかで、確固たる専門性と未来を拓く変革の力を磨く学生たち。浦安・日の出キャンパスは、「健康」を多角的に創造していく、最も新しく、最も躍進する拠点である。

浦安・日の出キャンパスには、健康データサイエンス学部に加え、チーム医療の一翼を担う臨床検査技師・臨床工学技士を養成する医療科学部、高い臨床実践能力を備えた薬剤師や創薬研究者を養成する薬学部もある。

健康分野のデジタルイノベーションの担い手“健康データサイエンティスト”を養成

 順天堂大学は185年以上の歴史が積み重ねた豊富な実績と、医療・健康、スポーツに関する蓄積されたデータを使い、未来を切り拓く人材を輩出するため、2023年4月に健康データサイエンス学部(入学定員100名)を開設した。

 健康データサイエンス学部の学生たちが学んでいる「浦安・日の出キャンパス」は、医療科学部(2022年4月開設)、薬学部(2024年4月開設)の学びの場にもなっており、医療とAI・データサイエンスが繋がり拡がっていく順天堂大学の新たな融合知のプラットフォームとなっている。

■医療・健康×データサイエンス
同大学の附属病院の診療活動等により長年蓄積された膨大なデータを利活用するためのデータ解析のスキルを身に付け、医療・健康分野の課題解決に向けて貢献できる人材を養成する。

■スポーツ×データサイエンス
同大学に蓄積された豊富なスポーツに関するデータを利用し、スポーツ分野で応用可能なデータ解析のスキルを身に付け、戦略支援や選手の故障後の復帰等への活用、スポーツ関連産業やヘルスケア産業におけるAIの活用をリードする人材を養成する。

 

順天堂大学 学長

代田 浩之

1954年 生まれ
1979年03月 順天堂大学医学部卒業
1979年04月 虎の門病院 内科
1987年04月 順天堂大学医学部内科学教室・循環器内科学講座 助手
1992年11月 博士(医学)取得(順天堂大学)
1993年08月 米国 Mayo Clinic,Division of Cardiovascular Diseases, Visiting Physician and Scientist
1995年11月 順天堂大学医学部内科学教室・循環器内科学講座 講師
2000年07月 順天堂大学医学部内科学教室・循環器内科学講座 主任教授
2014年04月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 院長
2016年04月 順天堂大学大学院医学研究科 研究科長・医学部 学部長
2019年04月 順天堂大学保健医療学部 学部長
2023年04月 順天堂大学大学院保健医療学研究科 研究科長
2024年04月 順天堂大学 学長

 

順天堂大学

「スポーツ」と「健康」をキーワードに、新しい時代を共創

創立188年の伝統校。医学部、スポーツ健康科学部、医療看護学部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部、医療科学部、健康データサイエンス学部、薬学部の9学部8大学院研究科6附属病院からなる健康総合大学です。2024年4月に薬学部が開設されたことにより、ますま[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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