全14学部のうち、理学部、工学部、生命環境学部、建築学部、総合政策学部の5学部が入る関西学院大学・神戸三田キャンパス(KSC)は、2025年に開設30周年を迎えた。
4月には、教育・研究の一層の充実を図ると共に、「Co-Creation」をコアコンセプトに掲げ、街全体で起業にチャレンジする雰囲気を盛り上げようとキャンパスの近接地に複合施設「KSC Co-Creation Village(C-ビレッジ)」を開設。大学・地域・企業、それぞれがもつ可能性をつなげ、アントレプレナーシップを醸成し社会を変えるようなうねり「兆し」を生み出していこうという試みだ。施設の特徴や設置の狙いについて、土井健司副学長・研究推進社会連携機構長に話を聞いた。

地域とともに社会へ貢献する起業家精神を
インキュベーション施設「Spark Base」
関西学院大学は、1889年に宣教師ウォルター・ラッセル・ランバス氏によって設立された学校をルーツとする。学院創立150周年を迎える2039年までに、起業支援を加速させ自ら事業を起こし、IPO(Initial Public Offering=株式上場)を行う卒業生を100人輩出することを目指すなど、アントレプレナーシップ教育に力を入れている。
C-ビレッジには、起業や社会課題の解決、新たな価値の創出を目指すインキュベーション施設「Spark Base」、研究活動に忙しい理系の学部生や大学院生、地方出身者など遠方の学生も安心して学習・研究に専念し、大学生活を送れる学生寮「創新寮(Genesis Dorm)」、そして24時間365日利用可能なフィットネスジム「FIT365」が入る商業施設の3つで構成されている。学生寮以外は近隣住民を含めた一般の利用も可能だ。
「Spark Base」という名称は、広く活用されることで「創造的なインスピレーションが生まれる場所」になるようにと命名。既に「Spark Base」を拠点とするスタートアップ企業も誕生し、続く2社目も準備中だという。
「ここでは本学の学生(大学院生を含む)・生徒、教職員、また自治体、企業、住民など、様々な人々がアントレプレナーシップを身につけ、人生のどこかで『起業』し、社会課題の解決に貢献したり、社会に新たな価値を提供することを理想としています」と土井副学長は話す。
1階にはカフェやラウンジ、ミーティングルーム、3Dプリンターなどの機器を備えたクリエイティブスペース、2階にはレンタルオフィスやコワーキングスペース、コミュニティキッチンなど多様な交流とイノベーションのためのスペースが備わっている。
「一般的なインキュベーション施設は、主にスタートアップの成長支援に重点を置いていますが、「Spark Base」では起業に直結する支援だけではなく、より広く、アントレプレナーシップを涵養することにも力を注いでいます」
スタートアップの源泉ともいえるアントレプレナーシップを育てるため、企業や団体と学生がともに地域社会の課題解決に取り組む地域連携ワークショップや、中高生向けのアントレプレナーシップ醸成ワークショップ、大学発スタートアップおよびスタートアップシステムに関するイベントの開催など、様々な取り組みが予定されている。
- 1
- 2
