就職率97.5%、上場企業への就職者割合34.2%※(2025年度)の実績を誇る立教大学。国家公務員をはじめ、五大総合商社やメガバンク、自動車、エネルギー、放送・広告など主要産業へと多くの卒業生を輩出している。さらに外資系企業への就職実績も年々増加傾向にあるという。こうした実績をあと押ししているのが、学部とキャリアセンターが連携して行う立教独自のキャリア支援だ。キリスト教精神に基づき自由を尊重しながら、学生の自立と成長を促す支援について伺った。(※就職希望者3811人中、上場企業への就職者1305人)

 

就職のその先の人生までを見据えて支援する。
「真の学生ファースト」なキャリア支援を展開

 「就職活動という“点”ではなく、その先の人生まで連なる“線”を見据えて支援することが、本学のキャリア教育の方針です。学生生活での学びや経験を通じてキャリア形成の基盤を築く力を育み、納得できる意思決定ができるように支援したいと考えています」。そう語るのは、立教大学キャリアセンター長を務める首藤若菜教授だ。

 同大学は、キリスト教精神に基づき「人間を型にはめず、個性を伸ばす」というリベラルアーツを重視した「自由の学府」として知られる。主体的な学びを重視する姿勢はキャリア教育プログラムにも表れており、「選択肢や機会は十分に用意するが、何を選び、どう行動するかは学生の自由」という方針が貫かれている。

 その言葉を裏付けるように、学部とキャリアセンターが連携して提供するプログラムは100種類以上、年間開催220回以上だというから驚きだ。オンデマンドでいつでも受講可能な講義型のプログラムをはじめ、低年次のうちに社会に触れることを目的とした体験型のプログラムなど、段階的に自らのキャリアについて考えを深められるよう設計されている。

 また、学生の個別相談の際は「こちらが指示を出すのではなく、どうするかは本人に考えてもらいます。学生の意思やニーズを聞いた上で、自発的に行動できるよう寄り添うことを心掛けています」と、キャリアセンター職員の藤澤瞬氏。学生の自立と成長を促し、自分の人生を考える力を育成するために、自由を重んじて過保護にしすぎない「真の学生ファースト」なキャリア支援が実践されている。

卒業生との繋がりや企業との連携により、
在学中から社会との接点を豊富に

 充実した内容から学生の満足度90%以上の支持を得ているプログラムだが、特長的なのは、社会との接点を豊富に設けていることだ。例えば、学部1・2年生限定の企業訪問プログラム『スタディツアー』や、学部2年生向けの就業体験型プログラム『Rikkyo My Career Gate』は、企業・団体・自治体と連携して行う、“キャリアの立教”ならではの取り組みだ。

 また、立教生同士の繋がりを強化している点にも着目したい。例えば、年5回開催される名物プログラム『RIKKYO卒業生訪問会』は、全学年が参加できる卒業生との交流会だ。採用に関係なく、自由に質問できる場としているため、給与、福利厚生、会社の嫌なところ、学生生活の過ごし方など、企業説明会では聞きにくいことにも率直に答えてくれるという。学生にとっては、社会人の本音やリアルな職場事情を知る貴重な機会だ。

 卒業生に個別にアプローチしたい場合には、キャリアセンターが管理する約4万5000人の卒業生データベースから検索できる仕組みも整っている。こうしたプログラムの実現には卒業生の協力が不可欠だが、立教大学には卒業生が在学生のキャリア形成を応援する風土が根付いている。キャリアセンターでは毎年、就職活動を終えた学生を「学生サポーター」として組織し、後輩の就活支援を行っているが、「先輩に助けられたから、自分も後輩の助けになりたい」という意識が在学中から定着しているのだろう。

 

誰も取り残さない全方位のサポートへ。
一人ひとりが自分らしい人生の在り方を追求

 環境整備にも力を入れている。例えば、オンライン面接が普及したことから、キャリアセンター内に個室型ブースを設置。静かな環境で面接に臨めるよう整備した。リングライトやパソコンスタンドなども完備され、映りの良い状態で面接に臨めると、学生に好評だ。

 さらに「真の学生ファースト」の姿勢はプログラムや環境整備にとどまらない。2026年3月、立教大学キャリアセンターは公式SNSを通じて、一部の悪質な新卒エージェントに向け強い警告メッセージを発信した。厚生労働省からも注意喚起や防止要請が出されていたが、大学キャリアセンターからの発信は異例であり、学生を守る姿勢を強く打ち出したこの投稿は大きな反響を呼んだ。

 DEI(多様性・公平性・包括性)の観点からの議論も進んでいる。例えば、大学が用意している履歴書フォーマットからは、性別欄や写真欄を撤廃。そこには、属性よりも中身で評価される社会を実現するべく大学から変革を促したいという思いが込められている。首藤教授は言う。「次にサポート強化の必要性を感じているのは、しょうがいのある学生や留学生です」。誰一人取り残さない体制構築に向け、支援の手を休めることはない。

立教大学 キャリアセンター

右)キャリアセンター長 経済学部 首藤若菜教授
左)キャリアセンター職員 キャリアコンサルタント 藤澤瞬氏

 

立教大学

"RIKKYO Learning Style”で「新しい」グローバルリーダー力を習得

立教大学は、1874 年の創立以来、国際性やリーダーシップを育むリベラルアーツ教育を実践。現在は、11学部27学科10専修1コースを設置しています。心の豊かさとリーダーシップをあわせもち、グローバルな課題と社会的要請に対応し、広い視野に立って課題を発見・解決で[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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