高校生の科学的能力を養い、国際的に活躍できる人材を育てる文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール支援事業で、文科省の有識者会議は第2次報告書をまとめ、指定校数を全国250校まで増やすことなどを提言した。

 文科省によると、スーパーサイエンスハイスクール支援事業は2002年度にスタートし、これまでに全国218校が指定を受けた。しかし、事業開始から20年近くが経過しているにもかかわらず、文科省が有効な評価方法を確立できていないなど課題が残り、今後の方向性を定めるうえで改善すべきことが見られる。

 有識者会議は全国約5,000の高校の5%に該当する約250校まで指定校を増やし、各地域で指定校同士が連携や切磋琢磨できる環境を整備する必要があると指摘した。

 今後の支援のあり方としては、これまでの研究開発の成果を普及する役割を担う認定枠を導入し、広域連携で支援を進めるべきだとした。さらに、長期にわたって指定を受けている高校は研究開発の卓越性が見られることから、地域の理数系教育の牽引役となれるよう引き続き支援を進める必要があると提言している。

 経費面では、海外研修や備品の調達などに力を入れるべきだと主張。外部資金の導入や企業・民間団体による支援ネットワークの確立にも文科省が手を貸すことを求めている。

参考:【文部科学省】スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議第二次報告書

大学ジャーナルオンライン編集部

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