2021年8月24日、日本私立大学連盟の田中愛治会長(早稲田大学総長)は東京都内で開かれた自民党の文部科学部会に出席し、2022年度政府予算の概算要求や税制改正要望に向け、私立大学等経常費補助の拡充などの「予算・税制関係」と、大学入学共通テストの実施時期を1カ月前倒し(12月を目途)するなどの「高等教育政策」の2つについて意見を述べた。

 私大連によると、田中会長は「私大連の要望」と題した資料を自民党の文部科学部会に提出。「予算・税制関係」としては、私立大学等経常費補助の拡充に加え、DXなどの予算に対する支援、中間層(給与所得者841万円まで)への新たな国の恒久的支援、リカレント教育など社会人の受講費用等の所得控除拡大などを要望した。

 「高等教育政策」としては、卒業要件にかかわるオンライン授業の修得単位数(60単位)の上限撤廃などの大学設置基準の見直し、私立大学の個性的な研究などへの支援強化、大学入学共通テスト実施時期の1カ月前倒しなどを要望している。

 大学入学共通テストの前倒しに関しては、多様な資質・能力の評価が求められる中で、現在の「大学入学共通テスト」の日程では、同テストを活用した個別学力検査(一般選抜)等を実施することは事実上不可能であると訴えた。

 この日の自民党の文部科学部会には日本私立大学協会、日本私立大学短期大学協会、日本私立中学高等学校連合会、日本私立小学校連合会、全日本幼稚園連合会も出席、それぞれの意見を陳述した。

 2022年度政府予算の概算要求は文科省が5.9兆円、国土交通省が6.9兆円、厚生労働省が33.9兆円などとしており、今後財務省と協議を進める。税制改正は年末の自民党税制調査会での決定に向けて水面下の折衝が今後本格化する。

参考:【日本私立大学連盟】自由民主党文部科学部会で田中会長が「令和4年度政府予算等」について意見開陳

大学ジャーナルオンライン編集部

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