2019年10月18日、ジェームズダイソン財団による国際エンジニアリングアワード「JAMES DYSON AWARD 2019」 の国際ファイナリストTOP20に、法政大学大学院チームと大阪大学大学院及び大阪市立大学のチームによる2作品が選出されたと発表した。
「JAMES DYSON AWARD 2019」は、一般財団法人 ジェームズダイソン財団が次世代のエンジニアやデザイナーの支援・育成を目的に行っている国際コンテスト。2019年は27の国と地域、応募総数1000超(日本国内では過去最高の51作品)の中から、国際ファイナリストTOP20に2作品が選出された。両作品とも、募集課題である「問題解決を体現し、革新的で他とは違うアプローチ」が高く評価された。
法政大学大学院 デザイン工学研究科 システムデザイン専攻による作品「PROLO」 は、子どもがヘルメットを着用せず自転車に乗って事故を起こすことを防ぐための、ヘルメットと自転車ロックの連動システム。赤外線LEDとフォトトランジスタを使用してヘルメットの着用を検知し、ヘルメット着用時のみ自転車機構のロックを解除する。
「Ubitone」は大阪大学大学院 工学研究科機械工学専攻の山蔦栄太郎氏と、大阪市立大学電気情報工学科の小西真広氏 による、点字の代用となる、盲ろう者を支援するコミュニケーションデバイス。音声認識と点字辞書を使用して、盲ろう者が理解可能な形式に音声を翻訳する。特別な知識を持たない人たちともコミュニケーションを取れるだけでなく、Bluetoothを介してポッドキャストやテレビ番組、ラジオをリアルタイムで利用できるという。
ダイソンのデザイン・新テクノロジー担当バイスプレジデントを務めるピーター・ギャモックは、全体を総括し「今年見てきた参加作品の幅広さと志は突出しています。若きエンジニアたちはグローバルな課題に直面しながら手を休めることなく活動を続けており、より良い未来を創造するための手段としてテクノロジーを捉えています。シンプルで独創的なコンセプトがいかに人々の暮らしを激変させる力を持つか、彼らがはっきりと証明しています。」とコメントしている。
今後、ダイソン創業者で最終審査員を務めるジェームズ ダイソンが TOP20 作品の審査を行い、国際最優秀賞1 作品と準優秀賞2作品を決定し、結果は11月14日に発表する。国際最優秀賞受賞者には賞金30,000ポンド(約450万円)が贈られるだけでなく、受賞者が在籍または卒業した教育機関に5,000ポンド(約75万円)が寄付される。
参考:【ジェームズダイソン財団】JDA2019国際ファイナリストTOP20に日本人チーム2組が選出 法政大学大学院チームによるPROLO、大阪大学大学院及び大阪市立大学チームによるUBITONE