島根大学医学部附属病院 総合診療医センターによる医師教育モデル「Neural(ニューラル)GP Network(ネットワーク)」が、離島・へき地を含む島根県における若手総合診療医の定着率88.1%という高い定着率を達成した。

 国内では急速な高齢化の進行で地域の患者を総合的に診療できる総合診療医の確保が急がれている。しかし、地方や過疎地域では若手医師から専門的指導医や同世代の医師不在から孤立感を訴える声が相次ぎ、定着を妨げる要因になっていた。

 そこで総合診療医センターは島根県内17の連携医療機関をビデオ通話システムでつなぐ広域ネットワークを2018年度に構築。若手医師が遠方の過疎地域で診療を行いながら大学の専門医からリアルタイムで指導を受けたり、離れた地域の同期と症例について相談したりできる「分散型・学術統合型」の教育環境を実現した。

 その結果、2018年度から2025年度にこのネットワークに参加した総合診療専攻医42人のうち、37人が島根県内の医療機関に定着している。全国の2024年度データでは国内のへき地(無医地区等)に赴任した医師の定着率は約50%と報告され、島根県の88.1%は極めて高い水準といえる。

 成果をまとめたプログラム評価論文は総合診療領域の世界的なトップジャーナルである米国総合内科学会誌『JGIM』の「Innovations in Clinical Practice(臨床実践におけるイノベーション)」枠で採択・公開されされた。単なる現場報告にとどまらない、他地域でも応用可能な革新的モデルと認定されたことになる。

 本取り組みは、厚生労働省の「総合的な診療能力を持つ医師養成拠点の形成事業」においても高く評価され、全国的なモデルケースとなる役割を期待されている。今後、この「島根モデル」が全国の医師偏在問題を解決するための成功事例として全国展開を進められるよう、国と連携してノウハウの横展開を進めていく。

参考:【島根大学】島根発の教育モデルが地域医師不足解消の成功例として国際誌に掲載

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