株式会社日本政策金融公庫は、64歳以下の男女かつ高校生以上の子どもを持つ保護者(有効回答数4,700人)を対象に、2019年度の「教育費負担の実態調査結果」を調査、公表した。
調査によると、高校入学から大学卒業までにかける子ども1人当たりの教育費用(入在学費用※)は939.1万円。その内訳は高校3年間で248.7万円、大学入学から卒業までが690.4万円が必要となる。2018年度の調査(953.4 万円)と比べると14.3 万円減少。これは教科書代等の大学在学費用の削減が主な減少要因となった。高校卒業後の入学先別にみると、私立大学に入学した場合は、文系で965.7万円、理系で1,070.4万円に対し、国公立大学では748.1万円。また、自宅外通学者(1人当たり)への年間仕送り額は平均102.3万円(月額8.5万円)と2018年度の調査より11.5万円増加した。
世帯年収に占める在学費用(子ども全員にかかる費用の合計)の割合は、平均で16.3%となり、2018年度調査(15.7%)より上昇。特に「年収200万円以上400万円未満」の世帯では、37.5%と2018年度調査(32.1%)に比べ5.4ポイント増加した。
教育費の捻出方法(何らかの対応をしている世帯)は、「教育費以外の支出を削っている(節約)」が32.7%と最も多く、「預貯金や保険などを取り崩している」23.5%、「子供(在学者本人)がアルバイトをしている」22.9%、「奨学金を受けている」17.6%と続いた。節約している支出としては「外食費」が62.6%と最も多かった。
「国の教育ローン」を利用することになった事情について聞くと、保護者の事情によるものは、「貯金や貯蓄ではまかないきれなかった」が50.1%と最も多く、「収入が少なく、不安だった」30.3%、 「子供にかかる教育費が予想以上だった」21.4%。子供の事情によるものは、「高額な授業料がかかる学校を志望していた」が46.9%と最も多く、「自宅外通学が必要だった」25.5%、 「長期間通う学校を志望していた」8.8%、「大学院などに更に進学することとなった」4.3%と続いた。
※入在学費用とは、入学費用(受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への納付金など)と在学費用(授業料、通学費、教科書代等の学校教育費と学習塾、参考書購入等の家庭教育費)の累計。