麻布大学は、アニコム パフェ株式会社とアニコム先進医療研究所株式会社と共同で、国内のスコティッシュ・フォールドなどの猫を対象に大規模な遺伝子解析を実施した結果、骨軟骨異形成症の重症リスクが高い遺伝子型の割合が減少したことを確認。遺伝子検査の重要性を指摘した。
スコティッシュ・フォールドは特徴的な折れ耳で知られる人気猫種だ。2016年に、TRPV4変異(TRPV4遺伝子のc.1024G>T変異)が、同品種の折れ耳形質と骨軟骨異形成症に関連すると報告された。同変異が1つの「ヘテロ接合個体」では折れ耳形質が認められ、同変異が2つの「ホモ接合個体」では重度の臨床症状が多く認められる。
近年、TRPV4変異を対象とした遺伝子検査が利用可能だ。しかし、実際にスコティッシュ・フォールド集団や同品種との交雑が疑われる他品種でのTRPV4変異の頻度の変化については十分な実証データがなかった。そこで研究グループは、2017年から2024年に生まれたスコティッシュ・フォールドなど14品種合計8610頭の猫を対象に、同変異の遺伝子型データを解析した。
その結果、スコティッシュ・フォールドにおける、TRPV4変異の重症リスクが高いホモ接合個体の割合が2017年の14.2%から、2024年には1.9%へと統計的有意に低下したことを確認。一方、ヘテロ接合個体と野生型個体の割合に統計的有意な変化を認めなかった。また、同変異(ホモ接合とヘテロ接合)はスコティッシュ・フォールドで最も高頻度に確認されたが、アメリカン・カールやマンチカンなど、他の品種でも検出された。
今回の研究成果は、遺伝子検査を繁殖管理に取り入れることで、疾患リスクが高いと考えられる遺伝子型の出生割合を低減できる可能性を示す重要な知見だとしている。
