大阪大学大学院の飯田克弘准教授の研究グループは、自動車保険加入者の車両走行データを利用することで、高速道路の任意の時間・空間範囲で逆走発生過程を連続的に再現・可視化することに初めて成功した。
逆走対策の立案には、その発生過程を連続的に捉える必要がある。しかし、逆走は希少な事象であり、カメラ等で高速道路全域をカバーして実際の発生過程を連続的に捉えることが困難なため、ほとんどの発生過程が推測に留まっていた。
研究グループは今回、研究対象となるICを含むデータ取得範囲を設定し、2022年6月から概ね2年間、この範囲を通行した車両のデータ(テレマティクスデータ)を取得(共同研究パートナーのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社が提供)。走行データには、各車両の各トリップを1つのIDとして、ID毎に緯度や経度、速度等の走行履歴が一定間隔で時系列順に記録されている。
まず、対象インターチェンジ(IC)を通行する車両を抽出して解析し、車両走行軌跡を獲得。この結果を国土地理院地理院地図と重畳することで、高速道路上で発生している現象を再現する。さらに、行き先間違いや逆走を示すフィルタリングを行うことで、逆走発生過程の可視化に成功した。
これにより、逆走を根源的に抑制する対策の検討が可能になるとしている。現在までに、一般的なIC形状であるトランペット型での逆走発生過程など、全てのIC形状で解析を行なっており、中には、東北自動車道黒磯板室ICでの逆走死亡事故で注目されている平面Y型ICも含まれる。今後、逆走以外の事故多発地点の対策検討への応用も期待されるという。


