学習院大学の麦山亮太准教授と労働政策研究・研修機構の小松恭子研究員は、2020年以降のコロナ禍を経て、テレワークの利用の有無だけでなく、職場の制度として利用可能かという「選択肢」に職業や学歴による格差が出現し、コロナ禍が落ち着いた後も持続していることを明らかにした。
研究チームは、コロナ禍を経てテレワークが働き方の選択肢として定着したのか、そこにいかなる格差が存在するのかを明らかにすることを目的とする研究を実施。2020年から2024年の毎年1月に実施された「全国就業実態パネル調査」(リクルートワークス研究所)データを用いて、25~64歳の被雇用者を職業別・学歴別に分析した。
その結果、「利用でき、実際している」グループの割合は、コロナ禍直前(2020年1月)の2.5%から、コロナ禍直後(2021年1月)の12.3%と大きく増加。その傾向は、ホワイトカラー層(専門職・管理職・事務職など)や、高学歴層(大学卒・大学院卒)で顕著であったが、マニュアル職や販売職・サービス職、中学卒・高校卒での増加はわずかだった。
加えて、コロナ禍を通じて「利用できるが、していない」者の割合が一貫して増加。この割合は2.2%(2020年1月)から6.1%(2024年1月)へと着実に増加してきた。ここでも、専門職・管理職・事務職といったホワイトカラー層、大学卒・大学院卒においてその増加傾向が大きかった。
研究チームは、今回の研究により、ホワイトカラー層や高学歴層ほど、コロナ禍直前と比べてテレワークを「利用でき、実際している」割合が大きく増加し、その後もこの傾向が持続していること、さらに、ホワイトカラー層で「利用できるが、していない」割合の一貫した増加が判明したとしている。
