埼玉工業大学は、尾熊牧場グループ有限会社ホームメンテナンスと、循環型農業(SDGs)に関する共同研究契約を埼玉縣信用金庫と一般社団法人さいしんコラボ産学官の仲介により、2022年6月1日に締結した。
この共同研究は、埼玉工業大学工学部生命環境化学科(環境物質化学研究室)本郷照久教授の研究チームが、深谷地域の地産地消による牧畜活動の循環型農業を推進する深谷市畜産企業コンソーシアムの活動を科学的に支援するもの。「畜産における深谷地産地消の循環型農業(SDGs)に関する検討」を課題とし、今回の目標としては、①牛糞発酵による堆肥製造時の環境負荷軽減(臭気、その他粉塵,排水等)と、②製造される堆肥の窒素・リン・カリ含有量表記等、製品付加価値化。研究内容としては、臭気物質の定性・定量分析と、それらに適した吸着除去方法を検討。また、堆肥中の窒素・リン・カリの迅速な測定方法の確立と、堆肥成分の最適化に取り組む。
本郷教授は環境化学の専門家として、地球温暖化防止に向けた二酸化炭素の回収・貯留技術、植物資源(バイオマス)から化学製品やエネルギーを生産する技術、汚染水・排ガスの安価で効果的な浄化技術の開発を研究している。また、廃棄物を資源として活用する循環型社会を目指したシステムの開発も行っており、これらの研究活動を活かして共同研究に取り組んでいく。
今後埼玉工業大学は、工業大学として学内の研究者の科学的な知見を活かして、地元深谷地域の地場産業の発展に貢献し、SDGs時代に対応した循環型農業の推進に向けた課題解決に向けて産学官連携で協力していく。