あしなが育英会と三菱UFJフィナンシャル・グループは、大学進学を目指す高校3年生と大学理系学部の学生を対象とした返済不要の給付型奨学金創設に合意した。想定する給付対象者は1,000人以上で、2022年度中に学生への振り込みを始める。

 あしなが育英会によると、創設される給付型奨学金は大学受験に臨む高校3年生向けに交通費や宿泊費を含む受験費用30万円を支給する「大学進学支援」と、理系学部に入学した大学生に対し、入学から卒業までの間、毎月4万円を給付する「理系大学生支援」。対象者数は大学進学支援が約800人、理系大学生支援が約300人と想定している。

 あしなが育英会は親を亡くしたり、親が障害で働けなくなったりした子どもたちを支援しているが、コロナ禍で加速した社会のデジタル化やAI(人工知能)普及に向け、日本で不足している理系人材の育成を目指して給付型奨学金の新制度創設を計画した。

 三菱UFJフィナンシャル・グループはあしなが育英会の活動を支援してきたが、新しい給付型奨学金についても長期間にわたって毎年度、資金提供する。

 玉井義臣あしなが育英会会長は「コロナ禍で経済や教育の格差が拡大する中、三菱UFJフィナンシャル・グループの決断は格差是正への力強いエールだ」、亀澤宏規三菱UFJフィナンシャル・グループ社長は「逆境に負けない遺児学生らの進学と理系人材育成に貢献したい」とのコメントを発表した。

参考:【あしなが育英会】「あしながMUFG奨学基金」創設

大学ジャーナルオンライン編集部

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