追手門学院大学経営学部でマーケティングを学ぶ学生たちが、地元の土産物がない熊本県の旅館と販路確保に悩む食品会社をマーケティングで結びつけ、クラウドファンディングで商品化まで行い地域の活性化につなげようという取り組みを行っている。2022年10月21日、大阪市内にある肥後銀行にて進捗報告会を行った。

 この取り組みは朴修賢教授(マーケティング論)のゼミで学んでいる3年生19人が2021年6月からマーケティングの思考と実践の一環で行っており、熊本の肥後銀行と朴教授と交流があったこと、時期的に熊本県水俣市を舞台とした映画「MINAMATA」の上映と重なったことから実現した。新型コロナウィルスの影響を受けたのは水俣市も例外ではなく、映画をきっかけに「水俣市を訪れて感じた心が温まるような思い」「新たな水俣の魅力」を全国に広めるため、テーマとして水俣市の交流人口拡大に設定。熊本県水俣市地域活性化プロジェクトチームとして活動している。

 学生たちがオンライン会議や現地調査を重ねて開拓したパートナーは、熊本県不知火海(八代海)に沈む夕日が名物のホテル「湯の児海と夕やけ」と、特産の豆腐を生産している伝統食品会社「五木屋本舗」。「湯の児海と夕やけ」には「日本の夕陽百選」に選ばれるほどの魅力がありながら宿泊客にアピールできるような地元ならではの土産物がなく、「五木屋本舗」は販路拡大を模索中。互いの課題を解決するべく、豆腐を材料にした焼きドーナツの商品化を企画・提案した。

 焼きドーナツは湯の児温泉と不知火海をテーマに「サンセット」と命名。さらに肥後銀行の関連会社であるグローカルクラウドファンディングを利用することで、商品化のための資金調達だけでなく宣伝効果も狙った。返礼品には焼きドーナツだけでなく旅館の利用券のセットも用意し、水俣市に来たくなる仕掛けを施している。

 このほかSNSでも活動の様子や水俣の魅力を発信しており、10月21日に行われた進捗報告会では、学生代表のひとり、原遼汰さんは「私たちが目で確かめた水俣市には、美しく穏やかな夕日が漂う絶景がありました。水俣市を公害のイメージに留めることなく、新たな魅力がある地域として全国へ印象づけたい」と語った。

 クラウドファンディングは2022年12月末まで、70万円を目標に支援を呼びかけている。11月18日(金)に追手門学院大学(安威キャンパス)で学内関係者に成果発表を行う予定。

参考:【追手門学院大学】追大生×肥後銀行×旅館×食品会社で商品開発、交流人口拡大 マーケティングとクラファンで熊本県の企業とコラボ 

追手門学院大学

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